葬儀会社との間にトラブル発生したら

仏壇のある和室で喪服を着た男性が若い女性に引き出物を手渡しているシーン。花と遺影が飾られた静かな雰囲気の中、丁寧なやりとりが行われている

大切なご家族を亡くされ、悲しみの中で葬儀の準備を進めている最中に、まさか葬儀会社との間でトラブルが発生してしまうなど、想像もしたくないことです。
しかし残念ながら、葬儀に関するトラブルはゼロではありません。
見積もり額と請求額が大きく違ったり、事前の説明とサービス内容が異なったり、担当者の対応に不信感を抱いたり…。
ただでさえ精神的に辛い状況で、このようなトラブルに直面すると、心身ともに疲弊してしまいます。

「葬儀会社との間にトラブル発生したら、一体どうすればいいのだろう?」と不安に思っている方もいらっしゃるかもしれません。
このページでは、葬儀会社との間で起こりうる具体的なトラブル事例から、実際にトラブルが発生してしまった場合の冷静な対処法、そしてどこに相談すれば良いのか、さらにはトラブルを未然に防ぐためのポイントまでを詳しく解説します。
もしも今、トラブルの渦中にいる方も、これから葬儀を控えている方も、ぜひ最後まで読んで、冷静に対応するための知識を身につけてください。

目次

葬儀会社との間で起こりうるトラブルの種類を知る

葬儀は、人生においてそう何度も経験することではないため、多くの方にとって不慣れなものです。
そのため、契約内容やサービスについて十分に理解しないまま話が進んでしまい、後になって「こんなはずではなかった」とトラブルに発展することがあります。
どのようなトラブルが起こりやすいのか、あらかじめ知っておくことで、いざという時に慌てず対応できます。

最も多いトラブルの一つに、費用の問題が挙げられます。
最初の見積もりには含まれていなかった項目が追加され、最終的な請求額が大幅に跳ね上がってしまうケースです。
これは、見積もり作成時に詳細な説明が不足していたり、遺族側が「これは当然含まれているだろう」と思い込んでいたりすることが原因で起こり得ます。
例えば、「ドライアイス代が日数分加算されていた」「祭壇の装花が写真の見本より明らかに貧弱だったのに、金額は同じだった」「火葬場への霊柩車代が別途請求された」など、細かな部分での認識のずれが積もり積もって大きな差額となることがあります。

また、サービス内容に関するトラブルも少なくありません。
事前の打ち合わせで確認した祭壇のイメージと実際のものが違ったり、棺や骨壺のグレードが思っていたものと違ったりといったケースです。
担当者とのコミュニケーション不足や、口頭での約束が書面に残されていないことなどが原因で起こりがちです。
特に、急いで葬儀を決めなければならない状況では、細かい部分まで確認する余裕がなく、後悔につながることがあります。

担当者の対応に関する不満も、トラブルの要因となります。
遺族の気持ちに寄り添わない事務的な対応、説明が分かりにくい、連絡がつきにくいなど、不信感から「この会社に任せて大丈夫だろうか」という不安が生じ、それがトラブルに発展することがあります。
葬儀は非常に個人的で感情的な出来事ですから、担当者との信頼関係は非常に重要です。

さらに、契約解除や返金に関するトラブルも起こり得ます。
例えば、仮契約をしたものの、別の葬儀会社の方が条件が良かったためキャンセルしようとしたら高額なキャンセル料を請求された、といったケースです。
契約書の内容を十分に確認していなかったために、予期せぬ費用が発生してしまうことがあります。
これらのトラブルは、遺族が葬儀の知識に乏しいことに付け込まれたり、急な判断を迫られたりする状況で発生しやすい傾向にあります。
どのようなトラブルが起こりうるかを知っておくことは、冷静な対応の第一歩となります。

想定外の追加費用を請求された場合

葬儀費用は、基本料金に含まれるものとオプションで追加されるものが複雑に組み合わさっています。
トラブルで最も多いのが、この追加費用に関するものです。
葬儀会社から提示された最初の見積もり金額を見て、「これで安心だ」と思っていたら、後から次々と項目が加算され、最終的な請求額が最初の倍近くになった、という話も残念ながら耳にします。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

一つの原因は、見積もり段階での説明不足です。
例えば、基本プランに含まれる項目が具体的にどこまでなのか、含まれていないものは何か、といった点が曖昧なまま契約を進めてしまうと、「これも含まれているはずだったのに」という認識のずれが生じます。
ドライアイスの料金が良い例です。
一般的なプランでは一定日数分が含まれていることが多いですが、日数が延びれば追加料金が発生します。
しかし、その説明が不明確だった場合、「なぜこんなに追加されるんだ」と不満につながります。
また、寝台車や霊柩車の搬送距離による加算、安置場所の利用料、火葬場での控室利用料など、状況によって発生する費用が事前に十分に説明されないこともあります。

別の原因として、葬儀の進行中に遺族側がサービス内容の変更や追加を依頼した際に、その都度かかる費用について確認を怠ってしまうケースです。
「もう少しお花を増やしたい」「会葬者が増えたので返礼品を追加したい」といった要望はよくありますが、その場で金額を確認せずに進めてしまうと、後で請求を見た時に驚くことになります。
葬儀会社の担当者も、遺族の悲しみに寄り添うあまり、費用の説明を後回しにしてしまうこともあるかもしれません。
しかし、費用の追加が発生する可能性のある項目については、必ず事前に書面で見積もりを作成してもらい、内訳を一つ一つ確認することが極めて重要です。

さらに、見積もり自体が意図的に低く提示され、後から様々な名目で追加請求を行う悪質なケースも残念ながら存在します。
特に、セットプランに含まれる物品(棺、骨壺など)が安価なものであり、少しでも良いものを選ぶと高額な差額が発生する、といった仕組みになっている場合もあります。
見積もり書には、各項目の単価や数量が明記されているか、どのような場合に費用が追加される可能性があるのか(例:日数、距離、人数など)が具体的に記載されているかを確認しましょう。
もし不明な点があれば、遠慮せずに質問し、納得いくまで説明を求めるべきです。
口頭での説明だけでなく、必ず書面に残してもらうように依頼することが、追加費用トラブルを防ぐための大切なポイントです。

事前の説明と違うサービス内容だった場合

葬儀の打ち合わせでは、祭壇の飾り付け、使用する棺や骨壺、式の進行方法、返礼品の種類など、様々な項目について葬儀会社の担当者と詳細を詰めていきます。
この打ち合わせの内容と、実際に提供されたサービスが異なっていた場合、トラブルに発展することがあります。
例えば、カタログで見た祭壇の写真と比べて実物がかなり質素だった、約束していた特定の宗派に合わせた飾り付けがされていなかった、といったケースです。

このようなトラブルが起こる原因の一つとして、打ち合わせ時の記録が曖昧であることが挙げられます。
口頭でのやり取りが多く、具体的な仕様やサービス内容を書面で確認していなかった場合、「言った」「言わない」の水掛け論になりがちです。
葬儀会社によっては、打ち合わせの議事録を作成したり、最終的な内容確認書を作成したりしますが、そうでない場合は遺族側がメモを取るなどの工夫が必要です。
特に、祭壇のイメージや使用する物品については、カタログの品番や写真などを具体的に確認し、契約書や見積もり書に明記してもらうことが重要です。

また、担当者の理解不足や手配ミスによって、サービス内容が異なってしまうこともあります。
例えば、特定の宗派の儀式について誤った知識で手配を進めてしまったり、必要な物品の発注を間違えたりといった人為的なミスです。
このようなミスを防ぐためには、打ち合わせの際に、遺族側も不明な点は積極的に質問し、担当者の説明に曖昧な点がないか確認することが大切です。
もし少しでも不安を感じたら、その場で疑問を解消するように努めましょう。

さらに、葬儀社の都合によって、事前の説明なくサービス内容が変更されてしまうこともあります。
例えば、手配していた物品が急に入手できなくなったため、代替品を説明なく使用した、といったケースです。
このような場合、本来であれば事前に遺族に連絡し、代替品について説明し同意を得るべきです。
もし事前の説明と違うサービスが提供された場合は、その場で担当者に指摘し、どのように対応してもらえるのかを具体的に確認することが重要です。
写真や動画で証拠を残しておくと、後々の話し合いや相談の際に役立ちます。
契約書や見積もり書に記載されている内容と照らし合わせながら、何がどのように違うのかを明確に伝えましょう。

担当者の対応が悪く不信感を感じた場合

葬儀は、遺族にとって非常にデリケートで感情的な出来事です。
そのため、葬儀会社の担当者には、単に葬儀を滞りなく進めるだけでなく、遺族の悲しみに寄り添い、丁寧で誠実な対応をすることが求められます。
しかし、残念ながら、担当者の対応が悪く、不信感や不快感を抱いてしまうこともあります。

例えば、遺族の質問に対して専門用語ばかり使って分かりにくい説明をしたり、忙しそうにしていて質問しにくい雰囲気だったり、連絡しても折り返しが遅かったり、といった対応です。
また、高圧的な態度を取られたり、遺族の意向を十分に聞かずに一方的に物事を進めようとしたりすることもあります。
このような対応は、遺族の精神的な負担をさらに重くし、葬儀全体に対する不満や後悔につながってしまいます。

担当者への不信感は、見積もりやサービス内容に関するトラブルの引き金にもなりかねません。
担当者を信頼できないと感じると、「もしかしたら費用を水増しされているのではないか」「約束した通りのサービスが提供されないのではないか」といった疑念が生じやすくなります。
特に、葬儀の契約は急いで行われることが多く、他の会社と比較検討する時間がない中で、目の前の担当者を信頼するしかありません。
だからこそ、担当者の言動一つ一つが遺族の心に大きな影響を与えます。

もし担当者の対応に不満や不信感を感じたら、我慢せずにその場で伝えることが大切です。
具体的にどのような点に不満を感じているのか、どのような対応を求めているのかを冷静に伝えましょう。
改善が見られない場合は、その葬儀会社の別の担当者や責任者に代わってもらうことを検討するのも一つの方法です。
担当者との良好なコミュニケーションは、トラブルを未然に防ぎ、安心して葬儀を進めるために不可欠です。
もし対応が改善されず、不信感が拭えない場合は、契約を進める前に他の葬儀会社に相談することも視野に入れるべきです。
葬儀は故人様を見送る大切な儀式ですから、信頼できる相手に任せたいと思うのは当然のことです。
担当者への不満は、単なる感情的な問題ではなく、サービス品質そのものに関わる重要なサインと捉えましょう。

トラブル発生!まずは冷静な対応を

葬儀会社との間でトラブルが発生してしまったら、ただでさえ悲しみの中にいる遺族にとっては、大きな精神的な負担となります。
怒りや悲しみ、そしてどうすれば良いのか分からないという混乱した気持ちになるのは当然のことです。
しかし、感情的になってしまうと、問題解決がさらに難しくなることがあります。
まずは深呼吸をして、できる限り冷静に対応することが重要です。

トラブルを解決するためには、何が問題なのかを正確に把握し、それを相手に伝える必要があります。
そのためには、感情に流されず、客観的な視点を持つことが大切です。
「担当者の態度が気に入らない」といった抽象的な不満ではなく、「〇月〇日の〇時に、担当者から〇〇という説明を受けたが、実際には〇〇だった」「見積もり書には〇〇と記載されているが、請求書では〇〇になっている」というように、具体的な事実に基づいて話を進めるように心がけましょう。
冷静に、しかし毅然とした態度で臨むことが、相手に真剣に受け止めてもらうための第一歩です。

トラブル発生時には、一人で抱え込まず、家族や信頼できる親戚などに相談することも重要です。
第三者の視点からアドバイスをもらうことで、冷静さを保ちやすくなりますし、交渉の場に同席してもらうことも心強いでしょう。
また、葬儀社の担当者と話をする前に、伝えたいことや確認したいことを箇条書きにして整理しておくと、感情的にならずにスムーズに話し合いを進めることができます。

トラブル解決には時間がかかる場合もあります。
すぐに納得のいく解決に至らなくても、焦らず、段階を踏んで対応していく姿勢が大切です。
まずは葬儀会社との直接の話し合いを試み、それでも解決しない場合は、後述するような第三者機関への相談を検討するなど、ステップを踏んで進めていきましょう。
トラブル発生時こそ、感情的にならず、事実に基づいた冷静な対応を心がけることが、早期解決への鍵となります。

トラブルの内容を具体的に記録に残す重要性

葬儀会社との間でトラブルが発生した場合、その内容を具体的に記録に残すことは非常に重要です。
なぜなら、この記録が、後の話し合いや第三者機関への相談、さらには法的な手続きを行う際に、客観的な証拠となるからです。
記憶は時間とともに曖昧になりますし、感情的な記憶は事実と異なることもあります。
正確な記録があれば、事実関係を明確にすることができます。

具体的に記録すべき内容は多岐にわたります。
まず、いつ、どこで、誰と、どのような話をしたのか、という日時、場所、相手(担当者名)、会話の内容を詳細に記録しましょう。
例えば、「〇月〇日午前〇時、〇〇葬儀社の〇〇担当者と電話で話した際、祭壇の生花は見積もり通りの量になると言われたが、実際には明らかに少なかった」といった具合です。
可能であれば、会話を録音することも有効な手段となり得ますが、相手に無断での録音はトラブルの原因になる可能性もあるため、注意が必要です。

次に、見積もり書、契約書、請求書、パンフレット、カタログなど、葬儀会社から受け取ったすべての書類を保管しておきましょう。
これらの書類は、契約内容や約束事を確認するための重要な証拠となります。
特に、見積もり書と請求書を比較することで、どのような項目が追加されたのか、金額に違いがあるのかが一目で分かります。
また、契約書に記載されている約款(規約)には、キャンセル規定やサービス内容に関する条項が定められている場合があるので、後で確認できるように大切に保管してください。

さらに、トラブルに関わる写真や動画も証拠として有効です。
例えば、事前の説明と違う祭壇や物品が使用されていた場合は、その場で写真を撮っておきましょう。
追加費用が発生したサービスの具体的な内容(例:長期間安置した際の遺体の状態など)も、可能であれば記録しておくと良いでしょう。
メールやLINEなど、葬儀会社とのやり取りが残っている場合は、それらも保存しておきましょう。
これらのデジタルデータは、やり取りの履歴や内容を客観的に示す証拠となります。

これらの記録は、ノートに時系列でまとめる、スマートフォンのメモ機能を使う、パソコンでファイルを整理するなど、分かりやすい方法で保管してください。
トラブルの記録は、感情的な主張ではなく、事実に基づいた冷静な交渉を可能にし、あなたの正当性を主張するための強力な武器となります。

葬儀会社との話し合いで明確に伝えるべきこと

トラブルが発生した場合、まずは葬儀会社と直接話し合うことが、問題解決の第一歩です。
話し合いの場を持つ際には、感情的にならず、伝えたいことを事前に整理しておくことが重要です。
明確に伝えるべきポイントを押さえることで、スムーズな話し合いにつながり、相手も問題点を理解しやすくなります。

まず、何が問題なのか、具体的に指摘しましょう。
「対応が悪かった」というだけでなく、「〇月〇日の〇時頃、担当者の〇〇さんが、こちらの質問に対して専門用語ばかりで説明してくれず、理解できなかった」「見積もり書には〇〇円と記載されていた項目が、請求書では〇〇円になっていた。
差額の理由を教えてほしい」というように、いつ、誰が、何を、どのようにしたのか、という事実を具体的に伝えます。
曖昧な表現ではなく、客観的な事実を伝えることで、相手も状況を把握しやすくなります。

次に、契約書や見積もり書、パンフレットなどの証拠を示しながら説明しましょう。
「契約書の〇条にはこのように記載されていますが、実際には〇〇という状況でした」「見積もり書ではこの項目は〇〇円でしたが、請求書では〇〇円になっています」というように、具体的な根拠を示しながら話を進めることで、あなたの主張に説得力が増します。
事前に準備しておいた記録(日時、会話内容など)も活用し、時系列で状況を説明すると、相手も理解しやすくなります。

そして、あなたが具体的にどうしてほしいのか、解決策を明確に伝えましょう。
「追加費用の根拠を納得いくまで説明してほしい」「見積もり通りの金額に訂正してほしい」「事前の説明通りのサービス内容でなかったことに対する説明と謝罪をしてほしい」「支払った一部費用を返金してほしい」など、具体的な要求を伝えます。
あいまいな表現ではなく、「〇〇をしてほしい」と具体的に伝えることで、相手もどのような対応をすれば良いのかを理解できます。

話し合いの最後には、話し合った内容とその結果(相手の回答や今後の対応策など)を必ず確認し、可能であれば書面に残してもらうように依頼しましょう。
口頭での約束だけでは、後になって「言った」「言わない」のトラブルに発展する可能性があります。
難しければ、自分でメモを取り、相手に確認してもらうだけでも良いでしょう。
葬儀会社との話し合いでは、感情的にならず、事実に基づいて具体的に問題点と解決策を伝えること、そしてその内容を書面に残すことが、トラブル解決に向けた重要なステップとなります。

感情的にならず、客観的な視点を持つこと

葬儀という非常に感情的になりやすい状況でトラブルに直面すると、冷静さを保つことは簡単ではありません。
悲しみや怒り、失望といった様々な感情が入り混じり、つい感情的な言動になってしまうことがあります。
しかし、感情的な主張は、相手に真剣に受け止めてもらえないばかりか、話し合いをこじらせてしまう原因にもなりかねません。
トラブル解決のためには、意識的に感情をコントロールし、客観的な視点を持つことが非常に重要です。

客観的な視点を持つとは、自分の感情や主観を一旦脇に置き、事実に基づいて状況を判断することです。
「あの担当者はひどい人だ」という主観ではなく、「担当者は〇月〇日、〇時からの打ち合わせに15分遅刻し、謝罪もなかった」という客観的な事実を捉えるように努めます。
トラブルの記録をつけることや、家族や友人に相談することは、客観的な視点を取り戻すために有効です。
第三者の視点から状況を見てもらうことで、自分では気づけなかった問題点や解決策が見えてくることもあります。

葬儀会社の立場や事情を理解しようと努めることも、客観的な視点の一つです。
もちろん、葬儀会社に非がある場合は正当な主張をすべきですが、担当者が多くの案件を抱えていて連絡が遅くなった、予期せぬ事態(例えば自然災害など)で手配に遅れが生じた、といった背景がある可能性もゼロではありません。
もちろん、それがトラブルの原因を正当化するわけではありませんが、相手の立場を少しでも理解しようとすることで、感情的な対立を避け、建設的な話し合いにつながることもあります。

話し合いの際には、自分の感情を伝えることも全く無意味ではありません。
「このような状況になり、大変悲しい気持ちです」「正直、不信感を感じています」と率直に伝えることは、相手に遺族の抱える精神的な負担を理解してもらうために必要な場合もあります。
しかし、それはあくまで冷静に、相手を責めるような口調ではなく伝えることが大切です。
重要なのは、感情をぶつけるのではなく、感情を伝えつつも、事実に基づいた具体的な問題点と解決策の提示に焦点を当てることです。

また、すぐに解決しない場合でも、焦って感情的な行動に出ないように注意しましょう。
感情的な言動は、かえって事態を悪化させたり、自分自身が不利な状況に追い込まれたりする可能性があります。
冷静さを保ち、客観的な視点から状況を判断し続けることが、トラブルを乗り越え、より良い解決へと導くための力となります。

解決に向けて頼れる相談窓口

葬儀会社との直接の話し合いでトラブルが解決しない場合や、話し合い自体が難しいと感じる場合は、第三者機関に相談することを検討しましょう。
一人で悩まず、専門的な知識や経験を持つ機関に助けを求めることで、問題解決の糸口が見つかることがあります。
相談窓口はいくつかあり、それぞれ役割や得意分野が異なります。

最も身近な相談窓口の一つが、消費者センターや国民生活センターです。
これらの機関は、消費者と事業者との間の様々なトラブルについて相談を受け付け、解決のためのアドバイスやあっせんを行ってくれます。
葬儀に関するトラブルも、契約内容や費用に関するものが多いため、消費者保護の観点から相談に乗ってもらえます。
具体的なトラブルの内容を伝え、どのように対応すれば良いのか、どのような解決策があるのかについて助言を得ることができます。

また、葬儀に関連する業界団体も相談窓口を設けている場合があります。
例えば、全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)や、各地の葬儀業協同組合などです。
これらの団体は、加盟社の倫理規定や自主ルールを定めており、加盟社とのトラブルについて相談を受け付け、指導やあっせんを行うことがあります。
ただし、相談できるのはその団体に加盟している葬儀会社とのトラブルに限られる場合が多いので、事前に確認が必要です。
業界の慣習や専門知識に基づいたアドバイスを得られる可能性があります。

より複雑なトラブルや、損害賠償請求など法的な対応が必要となる可能性がある場合は、弁護士に相談することを検討しましょう。
弁護士は法律の専門家として、契約内容の解釈、損害賠償請求の可否、交渉や訴訟の手続きなどについてアドバイスやサポートを提供してくれます。
ただし、弁護士への相談や依頼には費用がかかるため、トラブルの性質や金額などを考慮して慎重に判断する必要があります。
無料相談を受け付けている弁護士事務所や、法テラスなどの公的な相談窓口を利用するのも良いでしょう。

これらの相談窓口を利用する際には、これまでに収集したトラブルに関する記録(契約書、見積もり書、請求書、写真、メモなど)を準備しておくと、スムーズに相談を進めることができます。
一人で抱え込まず、適切な相談窓口に助けを求めることが、トラブルを乗り越えるための重要なステップです。

消費者センターや国民生活センターへの相談

葬儀会社とのトラブルで、まず気軽に相談できる窓口の一つが、お住まいの地域の消費者センターや、国の機関である国民生活センターです。
これらの機関は、消費者と事業者との間で発生した様々な商品やサービスに関するトラブルについて、公正な立場で相談に乗ってくれます。
葬儀も契約に基づくサービスであるため、消費生活相談の対象となります。

消費者センターでは、専門の相談員がトラブルの内容を詳しく聞き取り、問題解決のためのアドバイスをしてくれます。
例えば、見積もりと請求額の差額について、どのような法律や規約が関係するのか、どのように葬儀会社と交渉すれば良いのか、といった具体的な助言を得られます。
また、相談内容によっては、消費者センターが間に入って、葬儀会社との話し合いをあっせんしてくれることもあります。
あっせんとは、相談員が双方の主張を聞き、公平な立場で解決案を提示したり、話し合いを促したりする手続きです。
これにより、遺族が直接葬儀会社と対峙する精神的な負担を軽減できる場合があります。

国民生活センターは、全国の消費生活センターの活動を支援したり、複雑な事案や広域的なトラブルについて対応したりする機関です。
消費者ホットライン(電話番号:188)に電話すると、お住まいの地域を担当する消費者センターにつながります。
まずはこのホットラインに電話して相談してみるのが良いでしょう。

消費者センターや国民生活センターに相談する際には、トラブルの経緯、具体的な問題点、葬儀会社とのやり取りの内容、そして手元にある関連書類(契約書、見積もり書、請求書、パンフレットなど)を整理しておくと、相談がスムーズに進みます。
相談は無料で行える場合がほとんどですが、あっせんには時間がかかることもあります。
また、消費者センターには強制力はないため、必ずしも希望通りの解決が得られるとは限りません。
しかし、専門家のアドバイスを得られること、そして第三者が間に入ってくれることは、感情的になりがちな状況で冷静さを保ち、問題解決の糸口を見つける上で大きな助けとなります。
まずは、一人で悩まずに相談してみることをお勧めします。

葬儀関連の業界団体への相談

葬儀会社とのトラブル解決に向けて、葬儀関連の業界団体も相談窓口として機能している場合があります。
日本にはいくつかの葬儀関連の業界団体があり、それぞれに加盟している葬儀会社が遵守すべき倫理規定や自主ルールを定めています。
代表的なものとしては、全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)や、葬儀業の適正化を推進する全国儀式サービスなどがあります。

これらの業界団体に相談するメリットは、葬儀業界の慣習や専門知識に詳しい担当者からアドバイスを得られる可能性がある点です。
例えば、見積もり項目やサービス内容の適正性について、業界の標準的な考え方に基づいた意見を聞くことができるかもしれません。
また、加盟社とのトラブルであれば、団体が間に入って、事実関係の調査や、倫理規定に照らした指導、あるいはあっせんを行ってくれる可能性があります。
これにより、遺族が直接交渉するよりもスムーズに話が進むことがあります。

ただし、業界団体への相談にはいくつかの注意点があります。
まず、相談できるのは、トラブルが発生した葬儀会社がその団体に加盟している場合に限られることがほとんどです。
相談する前に、トラブル相手の葬儀会社がどの団体に加盟しているのか(あるいは全く加盟していないのか)を確認する必要があります。
葬儀会社のウェブサイトやパンフレットに記載されている場合や、直接問い合わせて確認することもできます。

次に、業界団体はあくまで自主的な組織であり、法的な強制力を持つわけではありません。
指導やあっせんを行っても、最終的に葬儀会社がそれに応じるかどうかは任意です。
また、団体によっては、遺族からの直接の相談は受け付けておらず、加盟社からの相談のみを受け付ける場合もあります。
事前に団体のウェブサイトなどで相談窓口の有無や相談方法を確認しておくことが重要です。

それでも、業界の専門知識を持つ第三者からアドバイスを得られること、そして加盟社であれば団体からの指導が入る可能性があることは、トラブル解決に向けた有効な手段の一つとなり得ます。
消費者センターと合わせて、相談先として検討してみる価値は十分にあるでしょう。
相談する際には、トラブルの詳細、葬儀会社の名称と連絡先、そして手元にある関連書類(契約書、見積もり書など)を準備しておきましょう。

弁護士や専門家への相談を検討するケース

葬儀会社とのトラブルが複雑であったり、金額が大きかったりする場合、あるいは葬儀会社の対応が極めて悪質で、直接の話し合いや消費者センター、業界団体への相談では解決が

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