葬儀の準備について、いつから始めるべきかという疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
元気なうちから考えるのは縁起が悪いと感じたり、逆にいつか来るその日のために漠然とした不安を抱えていたり、人によって様々な思いがあるかもしれません。
しかし、葬儀準備はいつから始めても間違いではありません。
むしろ、少しずつでも良いので、ご自身のペースで考える時間を持つことが、いざという時に慌てず、そして何より後悔のないお別れをするためにとても大切なのです。
この記事では、葬儀準備を始めるのに「理想のタイミング」から、具体的に「何をすれば良いか」、そして「後悔しないための葬儀社選び」まで、分かりやすく丁寧にご説明します。
葬儀準備はいつから始めるべき？と悩んでいるあなたが、少しでも安心してその一歩を踏み出せるような情報をお届けします。
葬儀準備を始める「理想のタイミング」
葬儀準備を始めるのに「早すぎる」ということはありません。
むしろ、元気なうちから少しずつ準備を進めておくことが、いざという時に残された家族の負担を減らし、自分自身の希望を反映させるためにも理想的と言えるでしょう。
もちろん、突然の別れというケースもあります。
その場合でも、最低限の準備をしておくことで、混乱を最小限に抑えることができます。
ここでは、様々な状況に応じた葬儀準備の「理想のタイミング」について考えてみましょう。
生前から計画的に進める終活としての準備、突然の事態に備えるための最低限の準備、そして実際に病院などから連絡を受けてから始めることなど、それぞれのタイミングで何に意識を向けるべきかをお伝えします。
いつから始めるべきかという問いに対する答えは、「あなたが気になった今」かもしれません。
まずは、ご自身の状況に合わせて、できることから始めてみましょう。
生前から始める「終活」としての葬儀準備
近年、「終活」という言葉が広く知られるようになり、生前からの葬儀準備も特別なことではなくなってきました。
終活の一環として葬儀について考える最大のメリットは、時間と心の余裕を持って、ご自身の希望や考えをじっくりと整理できることです。
例えば、どのような形式の葬儀が良いか（家族葬、一般葬、一日葬、直葬など）、誰に参列してほしいか、費用はどのくらいかけられるか、といった具体的なことを考えることができます。
また、エンディングノートを活用することも有効です。
エンディングノートには、ご自身のプロフィールや大切な人へのメッセージだけでなく、希望する医療や介護、そして葬儀やお墓についての希望を書き残すことができます。
これにより、いざという時にご自身の意思が家族に正確に伝わりやすくなります。
生前からの準備は、何も完璧を目指す必要はありません。
まずは、家族と葬儀について少しだけ話してみる、エンディングノートの葬儀に関する項目だけ埋めてみる、といった「小さな一歩」から始めることができます。
大切なのは、元気なうちに家族とコミュニケーションを取り、お互いの考えや希望を知っておくことです。
これにより、将来的に家族が迷ったり、意見が対立したりすることを避ける助けになります。
また、信頼できる葬儀社に事前に相談してみるのも良いでしょう。
具体的なプランや費用を知ることで、漠然とした不安が解消されることもあります。
生前からの準備は、ご自身のためだけでなく、残される大切な家族への思いやりでもあるのです。
突然の別れに備える「最低限の準備」
人生は何が起こるか分かりません。
予期せぬ突然の別れに直面することもあります。
そうした緊急事態に備えて、最低限これだけは準備しておくと安心できる、というポイントがあります。
全てを事前に決めておくのは難しくても、いざという時に家族が慌てないように、いくつか重要な情報を整理しておくだけでも大きな助けになります。
最も重要な準備の一つは、緊急連絡先リストの作成です。
誰に、どのような順番で連絡すべきか、親族やごく親しい友人、職場の関係者など、連絡が必要な人のリストを作成しておきましょう。
このリストは、家族の誰でもすぐに確認できる場所に保管しておくか、共有しておくことが大切です。
例えば、スマートフォンの連絡先リストを家族と共有したり、手書きのリストを分かりやすい場所に置いておいたりする方法があります。
また、健康保険証や介護保険証、年金手帳、印鑑登録証明書、預金通帳など、死亡後の手続きに必要な重要な書類やその保管場所を家族に伝えておくことも非常に重要です。
これらの書類がどこにあるか分からないと、その後の様々な手続きが滞ってしまいます。
可能であれば、これらの書類のコピーをまとめておき、保管場所と一緒に家族に渡しておくと、いざという時にすぐに確認できて便利です。
さらに、もしもの時に希望する安置場所（自宅か安置施設か）や、利用を検討したい葬儀社について、家族と軽く話し合っておくだけでも、急な判断を迫られた際の助けになります。
突然の別れは誰にとっても辛いものですが、最低限の準備があることで、少しでも落ち着いて対応できるようになります。
病院や施設からの連絡を受けてから始めること
実際に大切な方が亡くなられた場合、多くのケースでは病院や介護施設から連絡が入ります。
この連絡を受けてから、葬儀に向けて具体的な準備がスタートします。
まずは、医師から死亡診断を受け、死亡診断書を受け取ります。
これは、その後の様々な手続きで必要になる非常に重要な書類です。
次に、ご遺体をどこに搬送・安置するかを決めなければなりません。
選択肢としては、自宅に搬送して安置するか、または葬儀社の霊安室や専門の安置施設に搬送して安置するかのいずれかになります。
病院や施設からは、この搬送先をすぐに尋ねられることが一般的です。
事前に家族で話し合い、希望する搬送先を決めておくと、この時に慌てずに対応できます。
搬送先が決まったら、ご遺体の搬送を依頼するために葬儀社に連絡します。
葬儀社は24時間365日対応しているところがほとんどですので、夜間や休日でも遠慮なく連絡して大丈夫です。
この時、事前に利用したい葬儀社を決めているとスムーズですが、まだ決まっていない場合は、病院や施設から紹介を受けるか、その場でインターネット検索するなどして葬儀社を探すことになります。
搬送を依頼する際には、故人の氏名、亡くなられた場所（病院名や施設名）、搬送先の住所などを伝えます。
葬儀社の寝台車が迎えに来て、ご遺体を搬送します。
その後、安置場所で葬儀社と具体的な葬儀の打ち合わせを行うことになります。
病院や施設からの連絡を受けてから行うことは多岐にわたりますが、まずは落ち着いて、医師の指示に従い、搬送の手配を進めることが最初のステップとなります。
葬儀準備で具体的に「何をすれば良い？」
葬儀準備は、いつから始めるかというタイミングだけでなく、具体的に何を準備し、何を決めなければならないのかを知っておくことも大切です。
初めて葬儀の準備をされる方にとっては、何から手をつけて良いか分からず、戸惑ってしまうことも少なくありません。
しかし、一つずつ項目を整理していくことで、準備を進めやすくなります。
ここでは、葬儀の形式や内容の決定、費用についての考え方、そして連絡先リストの作成や遺影写真、服装といった具体的な準備品について、詳しくご説明します。
これらの準備を進めることで、故人らしい温かいお見送りができるようになり、遺族にとっても心残りなく故人を偲ぶことができるでしょう。
葬儀の形式や内容を決める
葬儀の準備において、最初に考えるべき重要なことの一つが、葬儀の形式と内容です。
近年では、家族葬、一般葬、一日葬、火葬式（直葬）など、様々な形式の葬儀があります。
それぞれに特徴があり、参列者の人数、費用、儀式の流れなどが異なります。
どの形式を選ぶかは、故人の生前の意向、遺族の考え、参列してほしい人の数、そして費用などを総合的に考慮して決めます。
例えば、故人が「身内だけで静かに送ってほしい」と希望していた場合は家族葬が適しているかもしれませんし、「多くの人に送ってほしい」という希望であれば一般葬が良いでしょう。
また、故人が特定の宗教や宗派を信仰していた場合は、それに沿った形式や儀式を取り入れる必要があります。
形式だけでなく、葬儀の内容についても具体的に考えていきます。
祭壇の飾り付け（生花の種類や色）、 BGMとして流したい曲、故人の趣味や人柄を表すような飾り付け（例えば、故人が好きだったものや思い出の品を飾る）、弔いの方法（読経、賛美歌、無宗教形式など）、通夜や告別式を行うかどうか、といった詳細を決めていきます。
形式や内容を決める際には、必ず家族や親族と十分に話し合うことが大切です。
故人の意向を尊重しつつ、残された家族の負担や希望も考慮して、皆が納得できる形を見つけることが理想です。
形式や内容が明確になれば、その後の葬儀社との打ち合わせもスムーズに進みます。
費用について考える
葬儀にかかる費用は、葬儀の形式や内容、参列者の人数、地域などによって大きく異なります。
葬儀費用は、大きく分けて「葬儀本体にかかる費用」「飲食接待費」「寺院費用」の3つの要素で構成されます。
事前に費用の目安を把握し、予算を立てておくことは、後々のトラブルを防ぐためにも非常に重要です。
葬儀本体にかかる費用には、棺、骨壺、祭壇、会場使用料、人件費などが含まれます。
飲食接待費は、通夜振る舞いや精進落としなどの料理や飲み物、返礼品にかかる費用です。
寺院費用は、お布施や戒名料など、宗教者へのお礼です。
特に寺院費用は、宗派や寺院によって大きく異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
葬儀社から提示される見積もりは、「一式」とまとめられている項目がある場合があります。
この「一式」に何が含まれているのか、含まれていないものは何かを具体的に質問し、納得がいくまで説明を受けることが重要です。
例えば、ドライアイスの追加料金や、安置場所の延長料金など、後から追加費用が発生しやすい項目についても確認しておくと安心です。
費用を抑えたい場合は、不要なオプションを省く、返礼品の種類や数を調整する、火葬式を選ぶなど、様々な方法があります。
見積もりを複数社から取ることで、内容と費用を比較検討し、適正な価格で納得のいく葬儀
