大切な方を偲ぶお葬式に、7歳のお子様と一緒に参列することになったとき、まず頭を悩ませるのが子どもの服装ではないでしょうか。
大人であれば喪服がありますが、成長期の子どもに専用の喪服を用意すべきか、普段着で良いのか、何を着せたら失礼にならないのか、様々な疑問が湧いてくるものです。
特に7歳という年齢は、少しずつ社会性を身につけ始める時期。
どのような服装が適切なのか、親としてもしっかり把握しておきたいですよね。
この記事では、「7歳子供のお葬式服装選び方」に焦点を当て、男の子・女の子それぞれの選び方から、小物、季節対策、急な場合の準備まで、分かりやすく丁寧にご説明します。
お子様も安心して参列できるよう、一緒に適切な服装を考えていきましょう。
7歳のお子様のお葬式服装選びの基本:男の子・女の子別のポイント
お子様のお葬式服装を選ぶ際に、まず念頭に置きたいのは、故人やそのご家族に敬意を表し、静かに故人を偲ぶ場にふさわしい装いであるということです。
7歳のお子様の場合、まだ成長が著しいため、大人用の喪服のようなかしこまった礼服を用意する必要はありません。
しかし、普段着の中でも最も「地味」で落ち着いた服装を選ぶことが基本となります。
ここでいう「地味」とは、色や柄、デザインが控えめであることを指します。
7歳のお子様の服装選びで大切な「地味」とは?
お葬式における「地味」な服装とは、具体的には黒、紺、グレーといった落ち着いた色合いを指します。
これらの色を基調とした無地のものが最も適しています。
明るい色や蛍光色、原色、派手な柄物、キャラクターが大きくプリントされた服は避けましょう。
また、光沢のある素材や、きらびやかな装飾(スパンコール、ラメ、大きなリボンなど)がついた服も、お祝いの場を連想させるため避けるべきです。
服のデザインも、露出が多いもの(ノースリーブや短いスカート、半ズボンなど)や、カジュアルすぎるもの(ダメージジーンズ、Tシャツ、トレーナーなど)は不適切とされています。
お葬式は故人を偲ぶ厳粛な場であることを理解し、派手さを抑えた、控えめな印象の服装を選ぶことが大切です。
お子様自身が好きなキャラクターの服を着たがることもあるかもしれませんが、この場は特別な場であることを優しく伝え、落ち着いた服装を選ぶように促してあげましょう。
男の子の服装:シャツ、ズボン、ジャケット、靴の選び方
男の子の場合、基本的な服装は白いシャツに、黒、紺、またはグレーのズボンです。
上着として、同じく黒、紺、グレーのブレザーやジャケット、カーディガンなどを羽織ると、よりきちんとした印象になります。
シャツは無地の白が基本ですが、薄いストライプなど目立たないものであれば許容される場合もあります。
ズボンは長ズボンが望ましいですが、夏場の暑い時期であれば、膝丈程度のハーフパンツでも問題ありません。
ただし、ジーンズ素材やカジュアルなチノパンは避け、フォーマルな雰囲気の素材(ポリエステルやウール混など)を選ぶようにしましょう。
靴は、黒の革靴や、それに近いデザインの合皮の靴が最も適しています。
スニーカーやサンダル、ブーツ、キャラクターのついた靴は避けましょう。
もし黒い革靴がなければ、学校指定の靴(上履きではない)で、色が黒や紺など地味なものであれば代用できる場合もあります。
女の子の服装:ワンピース、ブラウス、スカート、靴の選び方
女の子の場合、黒、紺、またはグレーのワンピースやアンサンブルが一般的です。
ワンピースの下には、白や同系色のブラウスを合わせます。
ワンピースがない場合は、白や地味な色のブラウスに、黒、紺、グレーのスカートやキュロットスカートを合わせることも可能です。
スカート丈は、座った時に膝が見えすぎない程度の長さが望ましいです。
夏場は半袖のワンピースやブラウスでも構いませんが、寒い時期には長袖を選び、必要に応じてジャケットやカーディガンを羽織りましょう。
素材は、光沢のない、控えめなものを選びます。
フリルやレースが多くついたデザイン、大きなリボンや派手なコサージュがついたものは避けましょう。
靴は、黒のストラップシューズや、黒のローファーなどが適しています。
エナメル素材など光沢が強いものは避け、落ち着いたデザインのものを選びます。
男の子と同様に、スニーカーやサンダル、ブーツ、キャラクターのついた靴は不適切です。
制服がある場合とない場合の考え方
もしお子様の小学校に制服がある場合、お葬式に参列する際はその制服を着用するのが最も適切です。
制服は学校という公的な場での服装であり、きちんとした印象を与えるため、お葬式のような改まった場にもふさわしいと考えられています。
制服がない、あるいは普段着で通学している学校の場合は、前述したような黒、紺、グレーを基調とした地味な服装を選びます。
この際、新しく礼服を購入する必要はありません。
お持ちの服の中から、最も地味で落ち着いた組み合わせを選びましょう。
例えば、黒や紺のカーディガンに白いブラウス、黒や紺のスカートやズボンといった組み合わせでも十分です。
もし適当な服がない場合は、後述する購入やレンタルを検討することになります。
大切なのは、高価な服や特別な服を着ることではなく、故人や遺族への配慮を示す服装であることです。
服装以外の小物(靴・靴下・コートなど)と季節ごとの注意点
お葬式の服装は、服そのものだけでなく、足元や上着、その他の小物に至るまで配慮が必要です。
特に7歳のお子様の場合、大人とは異なる注意点もあります。
季節によっても服装を調整する必要があるため、細部まで確認しておきましょう。
足元を整える:靴、靴下、タイツの選び方
お子様のお葬式における足元は、服装と同様に地味で落ち着いたものを選びます。
靴は前述したように黒の革靴や合皮の靴が基本ですが、もし手元にない場合は、黒や紺、茶色などの落ち着いた色のスニーカーで、できるだけ装飾が少なく、キャンバス地など光沢のないものであれば、やむを得ず使用できる場合もあります。
ただし、キャラクターものや派手な色のスニーカー、バスケットシューズのようなスポーティーすぎるものは避けるべきです。
靴下は、白か黒の無地のものを選びます。
柄物や派手な色の靴下、キャラクターソックスは不適切です。
男の子は白か黒のソックス、女の子は白か黒のソックス、または黒の無地のタイツを着用します。
特に冬場はタイツが防寒対策にもなりますが、肌色のタイツや柄物のタイツは避け、黒の透け感のない無地のものを選びましょう。
靴も靴下も、清潔なものを選ぶことが大切です。
季節に合わせた調整:夏場と冬場の服装
お葬式は季節に関わらず行われるため、夏場と冬場では服装の調整が必要になります。
夏場は気温が高く、お子様は汗をかきやすいため、通気性の良い素材を選ぶことが重要です。
半袖のワンピースやブラウス、シャツでも構いませんが、式場内は冷房が効いていることもあるため、薄手のカーディガンやジャケットなど、脱ぎ着しやすい羽織るものを用意しておくと安心です。
冬場は寒さ対策が必須です。
服装の上に羽織るコートは、黒、紺、グレー、茶色などの地味な色で、無地のものを選びます。
明るい色や派手な柄のコート、キャラクターのついたコート、ダウンジャケットのようなカジュアルすぎるコートは避けましょう。
式場に入る前にコートは脱ぐのがマナーですが、待合室や移動中に寒さを感じないよう、適切な防寒対策が必要です。
マフラーや手袋なども、地味な色や柄のないものを選びます。
肌着で温度調節をしたり、カイロを持たせたりするなど、お子様の体調管理にも十分配慮しましょう。
忘れがちな身だしなみ:髪型、バッグ、アクセサリー
服装だけでなく、髪型や持ち物といった身だしなみも重要です。
お子様の髪型は、清潔感があり、お辞儀をした際に顔にかからないように整えるのが基本です。
男の子は短く整え、女の子は長い髪であれば一つにまとめるか、低い位置で結ぶなどします。
派手な色のヘアゴムやヘアピン、キラキラした飾りやキャラクターのついたヘアアクセサリーは避け、黒や茶色などの地味なものを選びましょう。
お子様にバッグを持たせる必要は基本的にありませんが、もし持たせる場合は、黒や紺、グレーなど地味な色で、装飾の少ないシンプルなデザインのものを選びます。
キャラクターのついたリュックサックや派手な色のバッグは不適切です。
お子様にアクセサリーを身につけさせる必要はありません。
ネックレスやブレスレット、イヤリングなども、故人や遺族への配慮から避けるのが一般的です。
もし身につけるとしても、目立たないシンプルなものに限られますが、7歳のお子様であれば何もつけないのが無難です。
急な参列に慌てない!準備と購入・レンタル・マナー
お葬式は突然訪れるものです。
特に小さなお子様がいる場合、急な訃報に接すると、服装の準備に慌ててしまうことも少なくありません。
いざという時に困らないための準備や、適切な服装がない場合の対応策を知っておくことは、心の余裕にも繋がります。
いざという時のための服装準備と確認方法
急な訃報に慌てず対応するためには、日頃からの備えが大切です。
7歳のお子様の場合、成長が早いため、少し大きめのサイズのフォーマルにも使える地味な色合いの服を1セット用意しておくことをお勧めします。
例えば、黒や紺のシンプルなワンピースやズボン、白いブラウスやシャツなどです。
これらの服は、お葬式だけでなく、法事や親戚の集まり、改まった場所へのお出かけなど、様々なシーンで活用できます。
定期的に(例えば半年に一度や一年に一度)お子様に試着させて、サイズが合っているか確認する習慣をつけると良いでしょう。
また、それに合わせる黒や白の靴下、黒い靴なども一緒に保管しておくと、いざという時にすぐに取り出せます。
我が家では、急な場合でも困らないように、少し大きめのサイズのフォーマル服を1着用意しておき、年に一度、お盆の頃に試着させてサイズを確認しています。
このように、普段から少しだけ意識しておくことで、慌てず落ち着いて準備を進めることができます。
購入?レンタル?どこで買う?選択肢と選び方
適切な服装がない場合、新しく購入するか、レンタルするかという選択肢があります。
購入する場合、最も手軽なのはユニクロやしまむらといった量販店です。
これらの店舗では、黒や紺、グレーといった地味な色合いのシンプルな子供服が比較的安価で手に入ります。
急ぎの場合でも、近くの店舗ですぐに購入できるのがメリットです。
ただし、フォーマル専門ではないため、品揃えに限りがある場合もあります。
もう少しきちんとしたフォーマル服を探すなら、百貨店の子供服売り場がお勧めです。
デザインや品質の良いものが揃いますが、価格は高めになります。
オンラインストアでも多くの選択肢がありますが、試着ができないためサイズ選びに注意が必要です。
レンタルという選択肢もあります。
子供用のフォーマルウェアレンタル専門店などを利用すれば、必要な期間だけ礼服を借りることができます。
購入するよりも費用を抑えられる場合が多く、様々なデザインの中から選べるのがメリットですが、事前の予約や返却の手間がかかるため、急な場合には対応が難しい場合もあります。
参列までの日数や予算、今後どれくらいフォーマル服が必要になりそうかなどを考慮して、最適な方法を選びましょう。
お子様へのマナーの伝え方と参列時の配慮
お葬式に7歳のお子様が参列する場合、事前にその場がどういう場所であるかを分かりやすく伝えておくことが大切です。
「静かにする場所だよ」「走ったり大きな声を出したりするのはやめようね」「座っているときは背筋を伸ばそうね」など、具体的な行動について優しく教えましょう。
なぜ静かにしなければならないのか、故人への敬意や遺族への配慮といった理由も、お子様の理解力に合わせて説明してあげると良いでしょう。
絵本などを通じて、死や別れについて話してみるのも一つの方法です。
参列中は、お子様が飽きたり疲れたりしないよう配慮が必要です。
長時間座っているのが難しい場合は、休憩スペースを利用したり、静かにできる絵本やお絵かきセットなどを持参したりするのも良いでしょう。
ただし、音が出るおもちゃやゲーム機は避けましょう。
また、空腹は集中力を奪い、不機嫌の原因にもなります。
式が長時間に及ぶ場合は、簡単に食べられる軽食や飲み物をあらかじめ用意しておくと安心です。
お子様の体調にも常に気を配り、無理をさせないようにしましょう。
まとめ
7歳のお子様がお葬式に参列する際の服装選びは、大人用の喪服とは異なり、「地味」で落ち着いた服装を選ぶことが基本となります。
男の子なら白いシャツに黒や紺のズボンとジャケット、女の子なら黒や紺のワンピースやアンサンブルが一般的です。
制服がある場合は制服が最も適しています。
服装の色は黒、紺、グレーといった地味な色を選び、派手な色や柄、光沢のある素材、キャラクターものは避けましょう。
服装だけでなく、足元や小物も重要です。
靴は黒の革靴やそれに準ずるもの、靴下は白か黒の無地を選びます。
冬場は地味な色のコートや防寒着を、夏場は通気性の良い素材を選び、季節に合わせた調整が必要です。
髪型は清潔感を保ち、派手なヘアアクセサリーは避けます。
バッグやアクセサリーは基本的には不要です。
急な参列に備え、あらかじめ地味な色合いのフォーマルにも使える服を1セット用意しておき、定期的にサイズを確認するなどの準備をしておくと安心です。
適切な服がない場合は、量販店や百貨店での購入、またはレンタルを検討します。
そして最も大切なのは、お子様に参列する場の意味合いや基本的なマナーを分かりやすく伝え、お子様の体調に配慮しながら参列することです。
この記事が、7歳のお子様のお葬式服装選びに悩む皆様の一助となれば幸いです。