高校生のみなさん、もしもの時に葬式に参列することになったら、服装や持ち物だけでなく、メイクについても「どうすればいいんだろう?」と悩んでしまいますよね。
特に普段からメイクをしている人も、そうでない人も、葬儀という特別な場にふさわしいメイクのマナーがあるのか気になるところだと思います。
この記事では、高校生が葬式に参列する時のメイクについて、知っておきたい基本的な考え方から具体的なやり方、注意点まで、わかりやすく丁寧にご紹介します。
故人や遺族の方々への配慮を第一に考えた、失礼のない身だしなみとしてのメイクについて、一緒に確認していきましょう。
高校生が葬式に参列する時のメイクの基本マナー
葬儀に参列する際のメイクは、普段のメイクとは目的もマナーも大きく異なります。
特に高校生の場合、どこまでメイクをして良いのか、そもそもメイクは必要なのかなど、疑問に思う点が多いかもしれません。
ここでは、葬式という厳粛な場にふさわしいメイクの基本的な考え方と、高校生が知っておくべきマナーについて解説します。
葬式でメイクは必要?高校生の場合
結論から言うと、高校生が葬式に参列する際にメイクが必須ということはありません。
むしろ、普段メイクをしない子が無理に厚化粧をする必要は全くありません。
大切なのは、故人を偲び、遺族を慰める気持ちであり、派手な装飾は場にふさわしくないとされています。
しかし、これは「メイクを全くしてはいけない」という意味ではありません。
身だしなみを整えるという意味でのメイクは、失礼にはあたりません。
例えば、肌の色ムラが気になる場合や、顔色が悪い場合に健康的に見せるためのベースメイク、眉を整える程度のナチュラルなメイクは問題ないとされています。
普段からメイクをしている高校生であれば、全くメイクをしないことでかえって落ち着かないと感じるかもしれません。
その場合は、普段よりもずっと控えめな「お清めメイク」と呼ばれるような、肌をきれいに見せ、顔色を整える程度のメイクに留めるのが適切です。
親御さんや一緒に参列する大人の方に相談してみるのも良いでしょう。
一番大切なのは、派手にならないこと、そして故人や遺族の方々への配慮を忘れないことです。
控えめが鉄則!葬式メイクの基本的な考え方
葬式でのメイクは、「控えめであること」が最も重要な鉄則です。
これは、華美な装飾品を身につけないのと同じ考え方です。
メイクは自分を飾るためではなく、あくまで身だしなみを整える手段として考えます。
具体的には、色味を極力抑え、肌馴染みの良い、落ち着いたトーンのアイテムを選ぶことが求められます。
ラメやパールが入ったアイテム、鮮やかな色、濃いアイメイクやチーク、リップは避けるべきです。
メイクをしているかどうかわからないくらい、自然な仕上がりを目指しましょう。
普段のメイクが濃いめの高校生は、特に注意が必要です。
葬儀の場では、顔色を健康的に見せつつも、悲しみの気持ちに寄り添うような、慎ましくて清潔感のある印象を与えることが大切です。
「普段の自分らしさ」よりも、「葬儀の場にふさわしい装い」を優先することを心がけましょう。
これは、社会人になっても同じマナーとして通用することなので、高校生のうちに覚えておくと良いでしょう。
どんなメイクアイテムを使うべき?
葬式メイクに適したアイテムは、普段使いのものでも、色や質感を考慮すれば十分対応できます。
ベースメイクに関しては、肌の色ムラやくすみを自然にカバーできるファンデーションやBBクリームを薄く塗るのが基本です。
厚塗りにならないよう、気になる部分にだけ少量使うか、顔全体に薄く伸ばしましょう。
フェイスパウダーは、テカリを抑え、清潔感を保つために軽くのせるのがおすすめです。
色は、肌に馴染む透明か、ごく薄いベージュを選びましょう。
アイメイクは、アイシャドウはベージュや薄いブラウンなど、肌に溶け込むようなマットな質感の色を選びます。
ラメやパールは厳禁です。
アイラインは引かないか、引くとしてもまつげの隙間を埋める程度に細く、色は黒かダークブラウンを選びます。
マスカラは、ビューラーでまつげを軽く上げ、黒かダークブラウンのものを一度塗りする程度に留めます。
ボリュームタイプやロングタイプは避けましょう。
眉毛は、普段通りに整える程度で問題ありませんが、濃く描きすぎたり、眉尻を長くしすぎたりしないように注意が必要です。
リップは、血色感を抑えたベージュやローズ系、または色付きリップクリーム程度のものを選びます。
グロスやマットすぎるリップは避け、自然なツヤ感のものを選びましょう。
チークは基本的に不要ですが、顔色が悪く見えすぎる場合は、ごく薄いベージュやコーラル系のものを頬の高い位置にほんの少しだけ、ぼかすように入れるのは許容範囲です。
これらのアイテムを選ぶ際は、「派手さがないか」「ラメやパールが入っていないか」「落ち着いた色味か」を必ず確認してください。
具体的な高校生向け葬式メイクのやり方
葬儀に参列する際のメイクは、普段のメイクとは少し手順や意識が変わってきます。
ここでは、高校生でも簡単にできる、葬儀にふさわしい具体的なメイクのやり方をステップごとにご紹介します。
派手にならず、故人や遺族に失礼のない、清潔感のある仕上がりを目指しましょう。
ベースメイクはどこまで?ナチュラル肌の作り方
葬式でのベースメイクは、あくまで「身だしなみを整える」ことが目的です。
厚塗りになってしまうと、かえって不自然に見え、場にふさわしくありません。
目指すのは、肌のトーンを均一に整え、健康的に見せるナチュラルな肌です。
まず、洗顔後、しっかりと保湿をします。
乾燥しているとメイクが浮きやすくなるため、化粧水や乳液で肌を整えましょう。
次に、必要であれば日焼け止めを塗ります。
その後、肌悩みが気になる部分(ニキビ跡やクマなど)に、コンシーラーを少量だけ、指で優しくたたき込むように馴染ませます。
顔全体にファンデーションを塗る必要はありませんが、もし使う場合は、リキッドタイプやクリームタイプを少量取り、顔の中心から外側に向かって薄く伸ばします。
スポンジを使うとより均一に、薄く伸ばしやすいでしょう。
パウダーファンデーションを使う場合は、ブラシでふんわりとのせるのがおすすめです。
高校生であれば、肌への負担も少ないBBクリームや、色付きの化粧下地などで済ませるのも良い方法です。
これらを顔全体に薄く伸ばすだけでも、肌の色ムラやくすみがカバーされ、自然なトーンアップ効果が期待できます。
最後に、テカリやすいTゾーンを中心に、フェイスパウダーをブラシやパフで軽くのせます。
粉っぽくならないよう、余分なパウダーは払い落としましょう。
重要なのは、素肌感を残しつつ、肌をきれいに見せることです。
アイメイクは色選びと控えめさが鍵
葬式でのアイメイクは、最も注意が必要な部分かもしれません。
普段のメイクでアイシャドウやアイラインをしっかり引いている人も、葬儀の場では控えめにすることがマナーです。
アイシャドウは、肌の色に近いベージュや、ごく薄いブラウンなど、マットな質感の色を選びましょう。
ラメやパールが入っているものは、光に当たるとキラキラしてしまい、場にふさわしくありません。
アイシャドウを塗る際は、まぶた全体に薄く広げる程度に留めます。
濃い色を目のキワに入れるのは避けましょう。
アイラインは、基本的に引かないか、引くとしてもまつげの隙間を埋めるインラインを細く入れる程度にします。
目尻を跳ね上げたり、太く引いたりするのは厳禁です。
色は黒かダークブラウンを選び、リキッドタイプよりもペンシルタイプの方がより自然に仕上がります。
マスカラは、ビューラーでまつげを軽く上げる程度にして、黒かダークブラウンのものを一度塗りします。
ボリュームアップやロング効果のあるマスカラは避け、あくまでまつげの存在感を少しだけ出す程度に留めます。
下まつげには塗らない方がより自然に見えます。
眉毛は、自眉を活かし、パウダーやペンシルで隙間を埋める程度に整えましょう。
眉尻を長く描きすぎたり、濃くベタ塗りしたりするのは避け、自然な形と色に仕上げます。
アイメイク全体を通して、目を強調するのではなく、あくまで目元を整えるという意識を持つことが大切です。
リップやチークは?血色感を抑えるポイント
葬式でのリップやチークは、顔色を健康的に見せるために使うこともありますが、血色を良く見せすぎないように注意が必要です。
リップは、顔色が悪い場合に、少しだけ血色をプラスする目的で使います。
色は、ピンク系や赤系は避け、ベージュや落ち着いたローズ系を選びましょう。
リップクリームのように、唇に自然な潤いとごくわずかな色味を与える程度のものが理想です。
色付きリップクリームや、ほんのり色づくタイプのリップバームなども適しています。
マットな質感や、反対にグロスのようなテカテカした質感のものは避け、自然なツヤ感のものを選びましょう。
濃く塗りすぎず、指でポンポンと軽く叩き込むように乗せると、より自然に馴染みます。
チークは、基本的に塗らなくても問題ありません。
むしろ、多くの場合は塗らない方が無難です。
もし顔色がかなり悪く見えてしまう場合は、ごく薄いベージュや、肌に溶け込むようなごく淡いコーラル系のものを、頬の高い位置にごく少量だけ、ブラシでふんわりとぼかすように入れます。
鏡を見て、少しでも「血色が良いかな?」と感じたら、それは塗りすぎです。
ほとんど色がついているかわからないくらいがちょうど良いでしょう。
リップとチークは、あくまで顔全体のバランスを見て、必要最低限に留めることが重要です。
泣いても崩れにくいメイクのコツ
葬儀の場では、故人との別れを惜しんで涙を流すことも少なくありません。
涙でメイクが崩れてしまうと、かえって身だしなみが乱れてしまいます。
そこで、泣いても崩れにくいメイクのコツを知っておくことが大切です。
まず、ベースメイクは薄く仕上げることが崩れにくさにつながります。
厚塗りはヨレの原因になります。
また、皮脂や汗に強いタイプの化粧下地やファンデーションを選ぶのも一つの方法です。
フェイスパウダーでしっかりと押さえることで、サラサラの状態を保ち、崩れを防ぐことができます。
アイメイクに関しては、アイライナーやマスカラは、ウォータープルーフタイプを選ぶと安心です。
ただし、ウォータープルーフタイプでも、涙をこすってしまうとパンダ目になる可能性があります。
涙が出そうになったら、ハンカチやティッシュで目元をこするのではなく、優しく涙を吸い取るように押さえるようにしましょう。
特に目頭や目の下は、指で強くこすらないように注意が必要です。
また、涙袋のメイクは崩れやすいので、葬式メイクでは避けるのが賢明です。
メイク直しの際は、目立たない場所で、崩れた部分を軽くティッシュで押さえ、パウダーなどで軽く直す程度に留めましょう。
メイク直し用のミストなどを携帯しておくと、乾燥や崩れを防ぐのに役立つこともあります。
泣いてしまうことは自然なことですが、メイクが崩れてしまうことへの不安を少しでも減らすために、崩れにくいアイテムを選んだり、メイク直しの準備をしておくと良いでしょう。
高校生が葬式メイクで注意すべきこと
葬式に参列する際は、服装や態度だけでなく、メイクにも細心の注意を払う必要があります。
特に普段からメイクを楽しんでいる高校生は、うっかり場違いなメイクをしてしまわないように、いくつか気をつけるべき点があります。
ここでは、葬式メイクで避けるべきことや、迷いがちなポイントについて具体的に解説します。
派手すぎるメイクやアイテムは避ける
葬儀は、故人を悼み、遺族に寄り添うための場です。
自分を華やかに見せるための場では決してありません。
したがって、派手すぎるメイクや、葬儀の場にふさわしくないアイテムの使用は絶対に避けなければなりません。
具体的には、鮮やかな色のアイシャドウ(青、緑、ピンクなど)、ラメやパールがたっぷり入ったアイシャドウやチーク、ハイライト、濃いアイライン、ボリュームやロング効果が強調されるマスカラ、つけまつげ、濃い色やマットすぎる、あるいはグロスでテカテカしたリップ、派手な色のチーク、そして派手なネイル(長い爪や、明るい色、装飾のあるネイル)などです。
普段おしゃれとして楽しんでいるメイクやアイテムは、葬儀の場では控えるのがマナーです。
メイクは、あくまで顔色を整え、清潔感を保つためのものと割り切りましょう。
「これくらいなら大丈夫かな?」と迷うようなアイテムは、使わない方が無難です。
シンプルな装いが基本であるように、メイクもシンプルイズベストを心がけてください。
故人や遺族の方々が悲しみの中にいることを忘れず、その気持ちに寄り添うような、慎ましやかな身だしなみを心がけることが最も大切です。
カラコンやつけまつげはどうする?
普段からカラコンやつけまつげを使っている高校生の場合、葬儀の際にどうすれば良いか悩むかもしれません。
結論から言うと、葬儀の場ではカラコンやつけまつげは基本的に避けるべきです。
カラコンは、瞳の色を変えたり、瞳を大きく見せたりするためのものであり、おしゃれの要素が強いアイテムです。
葬儀の場では、故人や遺族に失礼にあたると考えられる可能性があります。
特に、明るい色やフチが強調されるデザインのカラコンは、明らかに不適切です。
どうしても裸眼で過ごすのが難しい、視力が悪いといった理由でコンタクトレンズが必要な場合は、透明のコンタクトレンズを使用しましょう。
つけまつげも同様に、目を大きく見せたり、華やかに見せたりするためのアイテムであり、葬儀の場にはふさわしくありません。
自まつげをビューラーで軽く上げ、控えめにマスカラを一度塗りする程度に留めるのが適切です。
これらのアイテムは、普段の生活で楽しむものであり、葬儀という厳粛な場では、装飾品として捉えられかねません。
故人や遺族に不快な思いをさせないためにも、控えるのがマナーです。
身だしなみは、自分自身のためだけでなく、周囲への配慮があってこそ完成するものです。
メイク直しはどうすれば良い?
葬儀中、特に通夜や告別式の間は、長時間にわたることがあります。
また、涙を流すことでメイクが崩れてしまうことも考えられます。
しかし、葬儀の最中に頻繁にメイク直しをするのは、場にふさわしくありません。
メイク直しをする必要がある場合は、必ず会場の化粧室など、人目につかない場所で行いましょう。
斎場によっては、メイク直しができるスペースが設けられている場合もあります。
メイク直しは、あくまで崩れた部分を最低限直す程度に留めます。
例えば、涙でマスカラが滲んでしまった場合は、綿棒などで優しく拭き取り、必要であればウォータープルーフタイプのマスカラを少量だけ塗り直します。
ファンデーションがヨレてしまった場合は、軽くティッシュで押さえ、フェイスパウダーを軽くのせる程度にします。
リップの色が落ちてしまった場合は、持参した控えめな色のリップクリームやリップを軽く塗り直します。
ポーチから派手なコスメを取り出したり、鏡を長時間見ながら念入りに直したりするのは避けましょう。
持ち運ぶメイクアイテムも、必要最低限のものだけに絞り、小さなポーチに入れておくとスマートです。
葬儀の場では、故人や遺族への哀悼の意を示すことが最優先です。
メイク直しに気を取られすぎず、厳粛な雰囲気を乱さないように心がけましょう。
まとめ
高校生のみなさんが葬式に参列する時のメイクについて、基本的なマナーから具体的なやり方、注意点までご紹介しました。
葬儀の場でのメイクは、普段のおしゃれのためのメイクとは目的が異なり、故人や遺族の方々への配慮を第一に考える必要があります。
最も大切なのは、「控えめに、清潔感を保つこと」です。
派手な色やラメ、パールは避け、肌馴染みの良い落ち着いたトーンのアイテムを選びましょう。
ベースメイクはナチュラルに、アイメイクは色味を抑え、リップは血色が悪く見えない程度の控えめな色を選ぶのが基本です。
普段メイクをしない高校生であれば、無理にメイクをする必要はありません。
眉を軽く整えたり、唇の乾燥を防ぐためにリップクリームを塗るだけでも、十分な身だしなみになります。
カラコンやつけまつげは避けるのがマナーです。
メイク直しは、人目につかない場所で、最低限に留めましょう。
葬儀という場にふさわしい身だしなみを整えることは、故人への敬意を表し、遺族に寄り添う気持ちを示すことにつながります。
この記事が、みなさんの不安を少しでも解消し、安心して葬儀に参列するための一助となれば幸いです。
大切なのは、表面的なメイクの技術ではなく、故人を偲ぶ心と、周囲への配慮の気持ちです。