突然の訃報に接したとき、悲しみと共に押し寄せるのが「これからどうすればいいのだろう」という不安ではないでしょうか。
特に、葬儀という非日常的な出来事は、その流れやどれくらいの時間がかかるのかが分からず、戸惑ってしまうものです。
葬儀の流れ時間の目安と過ごし方を知っておくことは、いざという時に冷静に対応し、故人との最期のお別れに集中するために非常に大切です。
この記事では、一般的な葬儀の流れを時系列で追いながら、それぞれの工程にかかる時間の目安や、参列者、あるいは喪主・親族としてどのように過ごすべきかについて、詳しく解説します。
現代の多様な葬儀形式についても触れ、全体の時間感覚を掴んでいただける内容となっています。
ぜひ最後までお読みいただき、もしもの時の心構えとして役立ててください。
葬儀全体の流れと時間軸:もしもの時から納棺まで
人が亡くなってから葬儀を終えるまでには、通常、数日間を要します。
この期間は非常に慌ただしく、悲しみに暮れる間もないほど多くの手続きや準備が進められます。
全体の流れを把握しておくことで、少しでも心の準備ができるでしょう。
まず、ご逝去から始まり、ご遺体の搬送・安置、そして葬儀社との打ち合わせを経て納棺へと進む、最初の段階について時間の目安と必要な対応を見ていきます。
訃報連絡からご遺体安置にかかる時間と大切な対応
ご家族や近しい方が亡くなられたら、まず医師から死亡診断書を受け取ります。
病院で亡くなられた場合は、病室からの移動が必要になるため、速やかに葬儀社に連絡し、ご遺体の搬送を依頼するのが一般的です。
葬儀社への連絡は、深夜や早朝であっても24時間対応しているところがほとんどです。
連絡を受けてから寝台車が到着するまでの時間は、場所にもよりますが、通常30分から1時間程度が目安となります。
ご自宅や葬儀社の安置施設など、安置場所を決めておくとスムーズです。
病院から安置場所への搬送自体にかかる時間は、距離によって大きく変わりますが、短ければ30分程度、遠方であれば数時間かかることもあります。
この搬送と安置の時間は、故人との最期をどこで過ごすかを決める最初の重要な時間です。
安置場所では、ドライアイスの手配や枕飾りなど、葬儀社が行ってくれますが、故人の愛用品をそばに置くなど、ご遺族が落ち着いて故人と向き合うための時間でもあります。
急な連絡で動転してしまうかもしれませんが、深呼吸をして、これから行うべきことの最初のステップだと認識することが大切です。
葬儀社との打ち合わせ時間と後悔しないためのポイント
ご遺体の安置が済んだら、次は葬儀社との詳細な打ち合わせが行われます。
この打ち合わせで、葬儀の日程、場所、形式(一般葬、家族葬、一日葬など)、規模、祭壇の飾り付け、棺、骨壺、返礼品、料理、費用など、葬儀に関するほぼ全ての事項が決定されます。
打ち合わせにかかる時間は、選ぶプランや内容、ご遺族の希望によって大きく異なりますが、一般的には1時間半から3時間程度を見ておくと良いでしょう。
初めての経験で分からないことだらけという方がほとんどですので、葬儀社の担当者に遠慮なく質問することが重要です。
後で「こうしておけばよかった」と後悔しないためにも、事前に家族構成や参列者の見込み人数、故人の遺志や家族の希望などをある程度整理しておくと、打ち合わせがスムーズに進みます。
例えば、「故人が好きだった花を飾りたい」「音楽を流したい」といった具体的な希望があれば伝えてみましょう。
また、複数の葬儀社の見積もりを比較検討する時間がない場合でも、打ち合わせの中で費用について曖昧な点をなくし、総額がいくらくらいになるのかをしっかり確認することが非常に大切です。
この打ち合わせの時間が、その後の葬儀全体の進行を左右すると言っても過言ではありません。
納棺の儀式にかかる時間と大切な過ごし方
葬儀社との打ち合わせで日程などが決まった後、通夜式の前に納棺の儀式が行われるのが一般的です。
納棺は、故人の旅立ちの準備として、体を清め、死装束を整え、棺に納める大切な儀式です。
納棺の儀式にかかる時間は、湯灌(ゆかん)を行うかどうかによっても変わりますが、通常1時間から1時間半程度です。
湯灌は、故人の体を洗い清める儀式で、これを行う場合はもう少し時間がかかります。
納棺師という専門のスタッフが丁寧に行ってくれることが多いですが、ご遺族も立ち会って故人の旅立ちの支度を手伝うことができます。
故人の愛用品や手向けたい品物を棺に入れることも可能です(燃えにくいものなど、入れられないものもあるため、事前に葬儀社に確認しましょう)。
この時間は、ご遺族にとって故人との最期の触れ合いとなる大切なひとときです。
故人の顔を撫でたり、語りかけたり、感謝の気持ちを伝えたりと、悔いのないよう静かに故人と向き合う時間として過ごしましょう。
納棺が終わると、故人は棺の中で通夜、告別式を迎えることになります。
この儀式を通じて、ご遺族は故人の死を改めて受け止め、お別れの準備を進めていくのです。
通夜式・告別式・火葬:各儀式の流れと時間目安
葬儀の中心となるのが、通夜式、告別式、そして火葬です。
これらの儀式は、故人との別れを惜しみ、冥福を祈るための大切な時間です。
それぞれの儀式には決まった流れがあり、かかる時間も異なります。
参列者として、あるいはご遺族として、それぞれの時間帯にどのように振る舞うべきかを知っておくことは、失礼なく故人を偲ぶために重要です。
通夜式の進行と所要時間:参列者の過ごし方
通夜式は、故人の霊前で夜通し灯りを絶やさず、故人の冥福を祈る儀式として始まりましたが、現代では参列者が弔問に訪れ、お焼香をする儀式として行われることが一般的です。
通夜式自体の儀式にかかる時間は、僧侶の読経や弔電の奉読などを含めて、通常40分から1時間程度が目安です。
式典の前後には受付時間や、通夜振る舞いの時間があります。
受付は式の始まる1時間~30分前から設けられることが多く、参列者はこの時間帯に到着し、香典を渡し記帳を行います。
通夜式が終わった後には、通夜振る舞いという食事が用意され、参列者が故人の思い出を語り合いながら過ごします。
通夜振る舞いの時間は、参加者の数や雰囲気によって変わりますが、1時間から1時間半程度で切り上げることが多いです。
参列者としては、受付を済ませてから式場に入り、静かに着席して式の開始を待ちます。
お焼香の順番が来たら、心を込めてお焼香を行いましょう。
通夜振る舞いに誘われた場合は、一口でも箸をつけるのがマナーとされています。
長居はせず、頃合いを見て失礼するのが一般的です。
ご遺族は、参列者への対応や葬儀社との最終確認など、この時間も慌ただしく過ごすことになります。
告別式から出棺までの流れと時間の目安
告別式は、故人との最期のお別れをするための儀式です。
かつては、故人の友人・知人が社会的に故人に別れを告げる場という意味合いが強かったですが、現代では葬儀式と一体化して行われることがほとんどです。
告別式にかかる時間は、通夜式と同様に40分から1時間程度が目安です。
告別式では、読経、弔辞・弔電の奉読、お焼香が行われます。
式が終わると、故人の棺を式場から霊柩車まで運び出す「出棺」へと移ります。
出棺の前に、ご遺族や近親者が故人の顔を見ながら最期のお別れをする「お別れの儀」が行われます。
棺の中に花を手向けたり、故人に語りかけたりする大切な時間です。
このお別れの儀から出棺、そして火葬場への移動時間を含めると、全体で1時間から2時間程度を見ておく必要があります。
参列者は、告別式に参列し、お焼香を済ませた後、出棺を見送るのが一般的です。
ご遺族や親族は、お別れの儀に立ち会い、棺を霊柩車に乗せるのを見届けます。
この時間は、故人との物理的な別れを実感する瞬間であり、多くの人が涙する場面です。
葬儀社のスタッフがスムーズな進行をサポートしてくれますが、ご遺族は故人との最期の別れを惜しみながら、次の火葬へと進む準備をします。
火葬場での流れと骨上げにかかる時間
告別式が終わると、故人の棺は霊柩車に乗せられ、火葬場へと向かいます。
火葬場へ同行するのは、一般的にご遺族や近親者、そしてごく親しい友人などに限られます。
火葬場に到着したら、火葬許可証を提出し、火葬炉の前で最期のお別れをします。
僧侶が同行している場合は、ここで読経が行われることもあります。
その後、故人の棺が火葬炉に納められます。
火葬にかかる時間は、自治体や火葬場の設備、故人の体格などによって異なりますが、大体1時間から1時間半程度が目安です。
火葬中は、火葬場の待合室で待機します。
この待合時間は、参列者同士で故人の思い出を語り合ったり、軽食をとったりして過ごすのが一般的です。
火葬が終わると、係員の指示に従って収骨室へ移動し、「