四十九日法要は、故人様が旅立たれてからちょうど七七日(四十九日)にあたる大切な節目です。
ご遺族にとっては、悲しみが癒えない中でも様々な準備を進めなければならない時期であり、特に法要の中心となる祭壇の飾り方について、どのようにすればよいのか迷われる方も少なくありません。
中でも、浄土真宗では他の宗派と異なる慣習や教えがあるため、その浄土真宗四十九日法要祭壇飾り方について、より詳しく知りたいと思われる方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、浄土真宗における四十九日法要の意義から、祭壇の基本的な飾り方、必要な仏具やお供え物、そして法要後の対応まで、分かりやすく解説していきます。
大切な故人様を偲び、つつがなく法要を営むための一助となれば幸いです。
浄土真宗の四十九日法要と祭壇の意義
四十九日法要は、仏教において故人様が極楽浄土へ旅立つための重要な節目とされています。
しかし、浄土真宗ではこの四十九日の捉え方が他の宗派とは少し異なります。
この章では、浄土真宗における四十九日法要の意義や、その際に整える祭壇が持つ意味合いについて詳しく見ていきましょう。
故人様を偲びつつも、仏様の教えに触れる大切な機会として、四十九日法要を理解することが、祭壇を整える上でも重要になります。
浄土真宗における四十九日の意味
浄土真宗では、阿弥陀如来の本願によって、故人様は亡くなってすぐに阿弥陀如来のおられるお浄土に往生し、仏様になられるという「即得往生(そくとくおうじょう)」の教えを大切にしています。
このため、四十九日をかけて閻魔大王などの裁きを受け、成仏できるかどうか決まる、といった他の宗派で説かれる考え方とは異なります。
では、なぜ浄土真宗でも四十九日法要を営むのでしょうか。
それは、故人様が仏様になられたことを偲び、故人様とのご縁を通して、私たちが改めて仏様の教えを聞かせていただくための大切な機会だからです。
故人様への感謝の気持ちを表し、ご遺族やご親族が集まり、共に仏法に触れる場として、四十九日法要は非常に重要な意味を持ちます。
故人様の成仏を願うのではなく、故人を縁として仏法を聞き、自らの信心を深めることが、浄土真宗における四十九日法要の最大の意義と言えるでしょう。
祭壇を整えることも、この法要の意義を深めるための大切な準備の一つなのです。
後飾り祭壇から仏壇(本祭壇)へ
ご葬儀の後、ご自宅にご遺骨やご位牌(浄土真宗では「白木位牌」と呼ばれる仮の木牌を用いることが多いです)、遺影などを安置するために設けるのが「後飾り祭壇」です。
これは仮の祭壇であり、四十九日法要まで故人様をご供養するためのものです。
四十九日法要をもって、この後飾り祭壇は役目を終えます。
そして、これに代わるものとして、日常的にご本尊(阿弥陀如来)をお祀りし、故人様を偲び、仏様への礼拝を行うための「仏壇」、すなわち「本祭壇」を整えることになります。
四十九日法要は、故人様のご遺骨を納骨し、後飾り祭壇から仏壇へと礼拝の場を移す、大きな区切りとなる法要です。
後飾り祭壇は故人様のための仮の場であり、仏壇(本祭壇)はご本尊を中心とした日常の礼拝の場であるという違いを理解することが大切です。
四十九日法要に際して整える祭壇は、この仏壇(本祭壇)を指す場合と、法要会場に特別に設ける場合とがありますが、いずれにしても、ご本尊をお迎えし、敬いの心を持って整えることが求められます。
浄土真宗 四十九日法要の祭壇飾り方【基本】
浄土真宗の四十九日法要で整える祭壇は、日常のご家庭にある仏壇を基本とします。
仏壇は、単に故人様を祀る場所ではなく、阿弥陀如来様をお迎えし、仏様の教えに触れるための大切な場所です。
したがって、その飾り方には一定の作法があります。
この章では、浄土真宗の祭壇における仏具の基本的な配置や、飾り付けの際の注意点について詳しくご説明します。
宗派(本願寺派と大谷派)によって微妙な違いがある点も踏まえ、基本的な飾り方を押さえていきましょう。
仏壇内の基本配置と仏具の並べ方
浄土真宗の仏壇は、中央に最も大切なご本尊(阿弥陀如来)をお迎えするための空間(須弥壇など)があります。
祭壇を飾る際は、まずこのご本尊を安置し、その手前の段に仏具を配置していきます。
仏具は、仏様を供養し、礼拝するための大切な道具です。
基本的な仏具として、「三具足(みつぐそく)」や「五具足(ごぐそく)」があります。
三具足は、香炉(こうろ)、花立て(はなたて)、ろうそく立て(火立て/ひたて)の三つで、向かって右にろうそく立て、左に花立て、中央に香炉を置くのが一般的です。
五具足は、花立て二つ、ろうそく立て二つ、香炉一つの五つで、中央に香炉、その両脇にろうそく立て、さらにその外側に花立てを左右対称に置きます。
これに加え、仏飯器(ぶっぱんき)にご飯を供えたり、茶湯器(ちゃとうき)にお茶を供えたり、高杯(たかつき)にお餅や果物などを供えたりします。
仏具の配置は、仏壇の大きさや段数によっても異なりますが、ご本尊が中心であり、仏具は仏様への供養と礼拝のために整えられるという点を理解して並べることが大切です。
日常的にお勤めをする際に使いやすいように配置することも考慮しましょう。
宗派(本願寺派・大谷派)による違い
浄土真宗は、大きく分けて浄土真宗本願寺派(お西)と真宗大谷派(お東)があります。
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