大切な方を亡くされ、深い悲しみの中にいらっしゃる時に、現実的な問題として「葬儀費用がない、どうしよう…」と頭を抱えてしまうことは、決して珍しいことではありません。
突然のことで心の準備も、費用の準備もできていなかった、という方もいらっしゃるでしょう。
しかし、費用がないからといって、故人様をきちんと送って差し上げられない、ということはありません。
様々な公的な支援制度や、費用を抑える方法、そして何よりも専門家である葬儀社に相談することで道が開ける可能性は大いにあります。
この記事では、葬儀費用がない出せない場合の対処法について、具体的な方法を分かりやすくお伝えしていきます。
一人で悩まず、まずはこの情報から、解決への糸口を見つけてください。
葬儀費用がない、どうしたらいい?まず考えるべきこと
大切な方が亡くなり、葬儀をどうするか考えなければならない状況で、手元に十分な費用がないことに気づいた時、大きな不安に襲われるのは当然のことです。
パニックになってしまう前に、まずは落ち着いて現状を把握し、冷静に考えることから始めましょう。
何から手をつければ良いのか、誰に相談すれば良いのか、といった最初のステップが非常に重要になります。
多くの方が経験する状況ではないため、どのように行動すれば良いか分からなくても無理はありません。
しかし、適切な対処法を知っていれば、費用がない状況でも故人様を丁重に見送る道は必ず見つかります。
まずは、ご自身の置かれている状況を正確に理解し、利用できる可能性のある手段をリストアップしていく作業から始めましょう。
この最初の段階を丁寧に行うことが、その後のスムーズな手続きにつながります。
本当に費用がないのか?手持ちの資産や故人の財産を確認する
「費用がない」と感じていても、実は故人様の財産や、ご自身の身近なところに葬儀費用に充てられるものが潜んでいる可能性もゼロではありません。
まずは、ご自身の手持ちの現金、預貯金を確認しましょう。
そして、故人様の預貯金口座の有無や残高、生命保険の加入状況などを確認することが大切です。
生命保険の場合、死亡保険金が支払われるタイミングや受取人について契約内容を確認してください。
すぐに保険金が受け取れる契約であれば、葬儀費用に充てることが可能です。
また、故人様が遺された動産や不動産など、換金できる財産がないかも視野に入れてみましょう。
もちろん、すぐにすべてを把握したり現金化したりするのは難しいかもしれませんが、まずは「何があるか」を知ることから始まります。
私の知るケースでは、故人が生前、まさかの時のためにと少しずつ貯めていた「へそくり」や、使う機会のなかった外貨などが見つかり、それが葬儀費用の一部を賄えたという例もありました。
タンスの引き出しや、故人様が大切にしていた物の間に、思わぬ形で現金が見つかることもあります。
まずは落ち着いて、ご自身の状況と故人様の遺されたものを丁寧に確認する時間を持ちましょう。
親族や周囲に相談することの重要性
葬儀費用の問題は、一人で抱え込むにはあまりにも大きすぎる悩みです。
まずは、ご自身の親族に相談してみましょう。
兄弟姉妹、両親、故人様の兄弟姉妹など、頼れる関係性の人がいるはずです。
正直に状況を伝え、費用負担について話し合う機会を持ちましょう。
親族間で費用を分担することで、一人あたりの負担が軽減されることがあります。
また、親族の中には、過去に葬儀を経験した方がいるかもしれません。
その経験から、費用に関するアドバイスや、利用できる制度について情報を提供してくれる可能性もあります。
さらに、親しい友人や職場の同僚など、信頼できる周囲の人に状況を話してみることも有効です。
直接的な金銭援助が難しくても、精神的な支えになったり、思わぬ情報源になったりすることがあります。
「恥ずかしい」「申し訳ない」といった気持ちから相談をためらってしまう方もいますが、困難な時こそ周囲の助けを借りる勇気を持つことが大切です。
親族や周囲との連携によって、一人では見つけられなかった解決策が見つかることは少なくありません。
正直に状況を伝え、共に考える姿勢を示すことで、協力の輪が広がることもあります。
公的な支援制度を活用する具体的な方法
葬儀費用が手元にない、あるいは不足している場合でも、国や自治体には遺族を支援するための公的な制度がいくつか存在します。
これらの制度を上手に活用することで、費用の問題を解決し、故人様を滞りなく見送ることが可能になります。
ただし、利用できる制度は故人様や申請者の状況によって異なりますし、申請手続きが必要となります。
どのような制度があり、ご自身が利用できる可能性があるのかを知っておくことが重要です。
これらの制度は、決して特別な人が利用するものではなく、費用に困っている方のために設けられたセーフティネットです。
まずはご自身の状況に合う制度がないか確認し、積極的に活用を検討しましょう。
健康保険から支給される「埋葬料(費)」について
故人様が国民健康保険や会社の健康保険(協会けんぽ、組合健保など)、または後期高齢者医療制度に加入していた場合、葬儀を行った方に対して「埋葬料」または「埋葬費」が支給される制度があります。
これは、葬儀に要した費用の一部を補助するもので、多くの健康保険制度において一律5万円が支給されるケースが多いですが、加入している健康保険の種類や規約によって金額は異なります。
たとえ少額であっても、費用に困っている状況