葬儀の流れ告別式当日の動き

大切な方を亡くされ、悲しみの中で迎える告別式当日は、心身ともに大きな負担がかかるものです。
特に初めて喪主や遺族として葬儀を取り仕切る場合、あるいは参列者としてどのように振る舞えば良いのか、その葬儀の流れ告別式当日の動きについて具体的に把握しておきたいと感じる方も多いでしょう。
当日は様々な儀式や手続きが慌ただしく進んでいきますが、事前に全体の流れやそれぞれの場面での注意点を知っておくことで、少しでも落ち着いて故人様とのお別れに臨むことができます。
この記事では、告別式当日の具体的な流れと、喪主・遺族・参列者それぞれの立場で知っておくべきこと、そして押さえておきたいマナーや注意点について、分かりやすく丁寧にご説明します。

目次

告別式当日の流れを時間軸で理解する

告別式当日は、開式前から火葬、そしてその後の法要や会食まで、様々な儀式や手続きが続きます。
全体の流れを事前に把握しておくことで、故人様とのお別れの時間を大切に過ごすことができるでしょう。
特に喪主や遺族は、当日の進行を円滑に進める責任があるため、具体的な時間配分やそれぞれの場面で何を行うのかをしっかり理解しておくことが重要です。
参列者の方も、全体の流れを知ることで、どのタイミングで到着し、どのように行動すれば良いかが分かり、故人様への弔意を適切に示すことができます。
ここでは、告別式当日の一般的なタイムスケジュールと、それぞれの時間帯での主な動きについてご説明します。

式場到着から開式までの準備と受付

告別式当日は、一般的に開式の1時間半から2時間ほど前に、喪主や遺族、近親者が式場に到着します。
到着後、まずは葬儀社の担当者と最終的な打ち合わせを行います。
この打ち合わせでは、式次第の確認、弔電の順番、焼香の案内方法、供花や供物の最終確認などが行われます。
また、この時間に受付の設営や最終的な準備も進められます。
受付は、一般的に開式の1時間前から30分前を目安に開始されることが多いです。
受付担当者は、それよりも早く到着し、記帳台の設置、香典の受け渡し方法、会葬御礼品の確認、式場内の案内方法などを葬儀社の担当者と綿密に打ち合わせます。
受付担当者は、参列者の方々が最初に接する遺族側の人間として、丁寧な対応を心がけることが非常に重要です。
香典の管理方法についても、誰がどのように受け取り、どこに保管するのかなど、事前に明確なルールを決めておきましょう。
会葬御礼品を当日お渡しする場合、参列者の人数を予測して十分な数を用意し、渡し方についても葬儀社と確認しておきます。
受付が始まる前に、遺族は控え室で身だしなみを整え、弔問に訪れる方々を迎える準備をします。

一般的なタイムスケジュールとその意味

告別式の一般的なタイムスケジュールは、地域や宗派、葬儀の規模によって多少異なりますが、大まかな流れは共通しています。
例えば、午前11時開式の告別式であれば、午前9時~9時半頃に遺族到着、午前10時頃から受付開始、午前11時に開式、読経、弔辞・弔電、焼香、お別れの儀式、正午頃に出棺、という流れが一般的です。
その後、火葬場へ移動し、火葬、骨上げ、そして斎場に戻って繰り上げ初七日法要や精進落としが行われる場合が多いです。
これらの儀式は、故人様への最後の弔いを丁寧に行い、見送るための大切な時間です。
それぞれの儀式には深い意味があり、故人様との思い出を振り返り、感謝の気持ちを伝える機会となります。
例えば、焼香は故人様の霊前にお香を焚いて拝むことで、心身を清め、敬虔な気持ちで故人様を送るという意味が込められています。
弔辞は故人様への追悼の言葉を述べ、故人様の冥福を祈るものです。
全体の流れを把握しておくことで、次の行動を予測し、スムーズに対応することができます。

故人様へのお別れと出棺までの流れ

告別式の読経や弔辞・弔電の読み上げ、焼香が終わると、故人様とのお別れの時間となります。
この時間は、棺の蓋が開けられ、遺族や親族、親しかった方々が故人様の顔を見て、最後の別れを告げます。
多くの場合、棺の中に故人様が好きだったものや、一緒に写った写真、そして供花の一部などを納めます。
ただし、火葬に影響するもの(金属、ガラス、プラスチック、分厚い書籍など)は納められないため、事前に葬儀社に確認が必要です。
故人様とのお別れの時間は、悲しみの中にも故人様への感謝の気持ちを伝え、心穏やかに見送るための、非常に個人的で大切な時間です。
その後、棺が閉じられ、釘打ちの儀式が行われることもあります(最近は行わない場合も増えています)。
そして、いよいよ出棺となります。
棺は、近親者の男性や葬儀社のスタッフによって霊柩車へと運ばれます。
位牌は喪主が、遺影は喪主に次ぐ親族などが持つのが一般的ですが、誰が何を持つかについても、事前に遺族間で話し合っておくとスムーズです。
霊柩車に棺が納められた後、喪主が参列者に向けて挨拶を行います。
これは、弔問いただいた方々への感謝の気持ちを伝える最後の挨拶となります。
挨拶が終わると、参列者一同が合掌または一礼をして、霊柩車を見送ります。

火葬からその後の流れ、大切な供養の儀式

告別式が終わり、故人様を納めた棺は霊柩車に乗せられ、火葬場へと向かいます。
この火葬からその後の流れも、葬儀の大切な一部です。
火葬は故人様の遺体を荼毘に付す儀式であり、その後、遺骨を拾い上げる骨上げが行われます。
さらに、火葬場から戻った後には、故人様の冥福を祈る法要や、弔問客への感謝を示す会食が行われることもあります。
これらの儀式や流れを理解しておくことは、故人様を最後まで丁寧に見送るために欠かせません。
特に、骨上げやその後の法要、会食は、地域や家庭の慣習によって形式が異なる場合があるため、事前に葬儀社や親族と確認しておくことが大切です。

火葬場への移動と火葬中の過ごし方

出棺後、霊柩車には喪主や位牌を持つ方が同乗し、マイクロバスや自家用車で遺族や近親者が火葬場へと移動します。
火葬場に到着したら、まず火葬許可証を提出します。
火葬許可証は、死亡届を提出した際に役所から交付される大切な書類であり、これがなければ火葬を行うことができません。
火葬許可証は、葬儀社が手続きを代行してくれる場合が多いですが、喪主自身が管理する場合もあるため、紛失しないよう厳重に保管することが重要です。
火葬炉の前で最後のお別れを行い、棺が火葬炉へと納められるのを見送ります。
その後、遺族や同行者は火葬場の待合室へ移動し、火葬が終わるまでの時間を過ごします。
火葬にかかる時間は、故人様の体格や火葬場の設備によって異なりますが、一般的に1時間から2時間程度です。
待合室では、軽い飲食が提供されることもあります。
この時間は、故人様との思い出を語り合ったり、今後の手続きについて話し合ったりする大切な時間となります。
静かに故人様を偲びながら待ちましょう。

骨上げと収骨について

火葬が終わると、火葬場の職員から声がかかり、収骨室へと案内されます。
収骨室には、火葬された故人様の骨が骨上げ台の上に置かれています。
骨上げ(こつあげ)とは、遺族や近親者が故人様の遺骨を拾い上げ、骨壺に納める儀式です。
地域によっては「拾骨(しゅうこつ)」とも呼ばれます。
骨上げは、二人一組で一つの遺骨を箸で挟み、骨壺に納める「箸渡し(はしわたし)」という方法で行われるのが一般的です。
これは、この世とあの世の橋渡しという意味が込められているとも言われています。
収骨の順番は、足元から始まり、徐々に体の中心へと進み、最後に最も重要な部分とされる喉仏(のどぼとけ)を拾い上げ、骨壺の一番上に納めます。
骨上げは、故人様の全てを受け止め、供養へと繋げるための、遺族にとって非常に重要な儀式です。
地域によっては、全ての骨を拾う「全骨収骨」と、一部の骨のみを拾う「部分収骨」があり、骨壺の大きさも異なります。
収骨が終わると、火葬済みの証明が記された火葬許可証が返却されます。
この書類は、埋葬や納骨の際に必要となるため、骨壺とともに大切に保管します。

繰り上げ初七日法要と精進落とし

火葬場から戻った後、多くの場合は葬儀を行った斎場や、別の会場、あるいは自宅で、初七日法要を行います。
本来、初七日法要は故人様が亡くなられてから七日目に行われる法要ですが、最近では参列者の負担を考慮し、告別式当日に火葬の後、そのまま行うことが一般的になっています。
これを「繰り上げ初七日法要」と呼びます。
繰り上げ初七日法要では、僧侶による読経が行われ、遺族や参列者が焼香を行います。
初七日法要は、故人様が無事にあの世に旅立てるよう、遺族が祈りを捧げる大切な供養の儀式です。
法要が終わると、弔問に訪れてくださった方々や、葬儀でお世話になった方々(僧侶や世話役など)を労うために、「精進落とし(しょうじんおとし)」という会食の席を設けるのが一般的です。
精進落としは、もともと四十九日の忌明けに肉や魚を断つ精進料理から通常の食事に戻すという意味合いがありましたが、現在では葬儀当日に行われることが多いです。

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