葬儀の流れかかる時間の目安は?

一周忌法要の準備に必要な手配と実務とは

大切な方を亡くされたとき、悲しみの中で行わなければならないのが葬儀です。
慣れないことばかりで、一体どれくらいの時間がかかるのか、何から始めれば良いのか、不安に感じられる方も多いのではないでしょうか。
葬儀の流れにかかる時間の目安は?」という疑問は、多くの方が抱える共通の悩みです。
この記事では、ご逝去から葬儀、火葬、そしてその後の流れを含め、全体でどれくらいの時間がかかるのか、また、葬儀の種類によってどのように時間が変わるのかを、具体的な目安と共にご説明します。
時間に関する不安を少しでも和らげ、落ち着いて故人様をお見送りできるよう、ぜひ最後までお読みください。

目次

葬儀全体の流れと各儀式にかかる時間の目安

葬儀は、ご逝去から火葬、そしてその後の手続きまで、いくつかの段階を経て進行します。
それぞれの段階で必要な手続きや儀式があり、かかる時間も異なります。
全体の流れと各儀式のおおよその時間目安を知っておくことで、心の準備がしやすくなります。
ここでは、一般的な葬儀の流れに沿って、それぞれの工程にかかる時間の目安を見ていきましょう。

ご臨終から安置、打ち合わせまでにかかる時間

病院や施設、自宅などで大切な方がお亡くなりになるところから、葬儀の準備は始まります。
まず、医師による死亡確認が行われ、死亡診断書が発行されます。
この一連の手続き自体はそれほど時間はかかりませんが、その後、ご遺体を安置する場所への搬送が必要になります。
葬儀社に連絡し、寝台車を手配してご自宅や葬儀社の安置施設へ搬送します。
この搬送にかかる時間は、場所によって大きく異なりますが、連絡から搬送、安置まで含めると、状況にもよりますが数時間程度はかかるのが一般的です。
特に夜間や早朝、休日などは、葬儀社の手配に少し時間がかかることもあります。
安置後、葬儀社との打ち合わせが行われます。
ここで葬儀の形式、日程、場所、規模、費用などを具体的に決めます。
この打ち合わせは、故人様やご遺族の意向を細かく反映させる重要な時間であり、内容が多岐にわたるため、1時間半から3時間程度かかることが多いです。
初めて葬儀を経験される方にとっては、決めるべきことが多く、時間がかかると感じるかもしれません。
事前に葬儀について少しでも情報収集しておくと、打ち合わせがスムーズに進むことがあります。

お通夜にかかる時間の目安と流れ

お通夜は、故人様と最後の夜を過ごす儀式です。
近年では、近親者のみで行うことが増えています。
儀式の流れとしては、まず開式に先立ち、参列者が受付を済ませます。
受付開始時間は開式の30分~1時間前が一般的です。
お通夜の式自体は、僧侶による読経、弔電奉読、焼香などが行われ、全体で30分から1時間程度で終わることが多いです。
ただし、参列者の人数が多い場合や、複数の僧侶が読経を行う場合などは、もう少し時間がかかることもあります。
式後には、通夜振る舞いが行われるのが一般的です。
これは参列者への感謝の気持ちを表す場であり、故人様を偲びながら食事を共にする時間です。
通夜振る舞いの時間は、1時間から1時間半程度が目安ですが、参列者の状況や会場の都合によって前後します。
お通夜全体の時間としては、受付開始から通夜振る舞いの終了まで含めると、大体2時間半から3時間程度を見ておくと良いでしょう。
儀式そのものは短時間でも、その前後の時間を含めると、ある程度のまとまった時間が必要になります。

告別式・葬儀式、火葬にかかる時間の目安

お通夜の翌日に行われるのが、告別式と葬儀式です。
これらは故人様と最後のお別れをする儀式であり、一般的には続けて行われます。
告別式・葬儀式の流れも、お通夜と同様に受付から始まります。
式自体は、僧侶による読経、弔辞・弔電奉読、焼香、そして最後のお別れと出棺へと進みます。
儀式の所要時間は、お通夜と同様に30分から1時間程度が目安です。
式の後、故人様を霊柩車に乗せて火葬場へ向かいます。
この出棺の際、親族や親しい方々が棺を運び、霊柩車を見送ります。
火葬場への移動時間は、斎場の場所や交通状況によって大きく異なりますが、数十分から1時間程度かかることもあります。
火葬場に到着すると、火葬炉の前で最後のお別れをし、納めの儀を行います。
その後、火葬が行われます。
火葬にかかる時間は、一般的に1時間から1時間半程度です。
この間、ご遺族や親族は火葬場の控室で待機します。
火葬が終わると、収骨(拾骨)を行います。
これは遺骨を骨壺に納める儀式で、20分から30分程度かかります。
火葬場での一連の流れ全体としては、到着から収骨まで含めると、大体1時間半から2時間半程度を見ておくと良いでしょう。
火葬場の予約状況によっては、到着から火葬開始まで待ち時間が発生することもあります。
また、火葬後の精進落とし(食事)の時間を設ける場合は、さらに1時間から1時間半程度が加わります。
告別式・葬儀式から火葬、収骨、精進落としまで含めた一連の流れ全体としては、大体3時間半から5時間程度かかることが多いです。

葬儀の種類別にかかる時間の違いを比較

近年では、伝統的な二日間の葬儀だけでなく、様々な形式の葬儀が選ばれるようになっています。
葬儀の種類によって、かかる時間や流れは大きく異なります。
ここでは、代表的な葬儀形式である一般的な葬儀(二日葬)、一日葬、家族葬、直葬について、それぞれの時間的な違いを比較しながらご説明します。
ご自身の状況や故人様の意向に合わせて、どの形式が良いかを検討する際の参考にしてください。

一般的な葬儀(二日葬)のタイムスケジュール詳細

一般的な葬儀として広く行われているのが、お通夜と告別式を二日間にわたって行う「二日葬」です。
初日がお通夜、二日目が告別式と火葬という流れになります。
初日のお通夜は、夕方から夜にかけて行われることが多く、受付開始が17時、開式が18時といったスケジュールが一般的です。
前述の通り、お通夜の儀式自体は30分~1時間程度で終わり、その後の通夜振る舞いを含めると、お通夜全体の所要時間は2時間半から3時間程度です。
二日目の告別式・葬儀式は、午前中に行われることが多いです。
受付開始が9時、開式が10時といったスケジュールが一般的です。
告別式・葬儀式も30分~1時間程度で終わり、その後、出棺、火葬場への移動となります。
火葬場での滞在時間は1時間半から2時間半程度。
火葬後の精進落としを含めると、二日目の所要時間は3時間半から5時間程度になります。
この二日間の流れ全体で見ると、初日の夕方から始まり、二日目の午後には終了するというのが一般的な二日葬のタイムスケジュールです。
ただし、移動時間や火葬場の混雑状況、会食の有無などによって、全体の時間は変動します。
また、初日のお通夜の前には、ご遺体の安置や葬儀社との打ち合わせに時間がかかりますし、二日目の火葬後には、役所への手続きなども必要になります。
儀式そのものだけでなく、前後の時間も含めて考えることが重要です。

一日葬にかかる時間の目安と特徴

一日葬は、お通夜を行わず、告別式と火葬を一日で行う葬儀形式です。
近年、増加傾向にあります。
お通夜がないため、二日葬に比べて全体の時間を短縮することができます。
一日葬の場合、午前中に告別式・葬儀式を行い、その後、出棺、火葬という流れが一般的です。
告別式・葬儀式の開始時間は、午前10時や11時頃が多いです。
儀式の時間は二日葬の告別式と同様、30分から1時間程度です。
式後、すぐに火葬場へ移動し、火葬、収骨を行います。
火葬場での滞在時間も二日葬と同様、1時間半から2時間半程度です。
火葬後に精進落としを行う場合は、さらに時間が加わります。
一日葬の大きな特徴は、文字通り一日で主要な儀式を終えられる点です。
全体の所要時間としては、告別式の受付開始から火葬、収骨まで含めて、大体3時間から5時間程度を見ておくと良いでしょう。
お通夜がない分、初日の夜の時間が空きますが、ご遺体の安置や打ち合わせといった準備の時間は二日葬と同様に必要です。
また、一日葬であっても、遠方からの参列者がいる場合や、親族が集まる時間が必要な場合は、ある程度の時間を考慮する必要があります。
一日葬は時間を短縮できるメリットがありますが、故人様とゆっくり過ごすお通夜の時間がなくなるという側面もあります。
時間だけでなく、どのような形でお見送りしたいかという視点も大切です。

家族葬や直葬にかかる時間とその背景

家族葬は、参列者を家族や親族、ごく親しい友人に限定して行う葬儀形式です。
儀式の流れ自体は、一般的な二日葬や一日葬と変わりませんが、参列者の人数が少ないため、受付や焼香にかかる時間が短縮される傾向があります。
また、通夜振る舞いや精進落としも、少人数で行うため、時間や形式をより柔軟に設定できます。
したがって、家族葬にかかる時間目安は、二日葬や一日葬の基本的な時間と大きく変わりませんが、参列者対応にかかる時間が少なくなる分、全体的にスムーズに進む傾向があると言えます。
ただし、家族葬だからといって必ずしも短時間で終わるわけではなく、儀式の内容や意向によって時間は変動します。
一方、直葬(ちょくそう・じきそう)は、お通夜や告別式といった儀式を行わず、ご遺体を病院などから直接火葬場へ搬送し、火葬のみを行う形式です。
最もシンプルな葬儀形式であり、かかる時間も短くなります。
直葬の場合、ご逝去後、ご遺体を安置し、火葬の手続きを進めます。
法律により、死亡後24時間以内は火葬できないため、最低でも丸一日は安置が必要です。
火葬場へ移動し、簡単な最後のお別れの後、火葬、収骨となります。
儀式がないため、火葬場での滞在時間は1時間半から2時間半程度となり、これが直葬にかかる主要な時間となります。
移動時間を含めても、全体で2時間から3時間程度で済むことが多いです。
直葬は時間的、費用的な負担が少ない反面、故人様との別れを惜しむ儀式の時間がほとんどないという特徴があります。
時間短縮を最優先したい場合や、宗教的な儀式を望まない場合に選ばれることが多い形式です。

葬儀にかかる時間に関するよくある疑問と知っておきたいこと

葬儀は予期せぬタイミングで必要になることが多く、時間の制約や予期せぬ出来事によって、時間の管理が難しく感じられることがあります。
特に、遠方からの参列者がいる場合や、急な訃報で心の準備も時間的な準備もできていない場合など、時間に関する不安は尽きません。
ここでは、葬儀にかかる時間についてよく寄せられる疑問にお答えし、知っておくと役立つ情報やアドバイスをご紹介します。

遠方からの参列や急な訃報で時間が読めない場合の対応

遠方にお住まいの親族や友人が参列する場合、移動手段の手配や移動時間、宿泊の必要性などを考慮して、葬儀の日程を決める必要があります。
一般的な二日葬の場合、初日のお通夜に参列し、翌日の告別式・火葬にも立ち会うとなると、最低でも一泊二日が必要になります。
新幹線や飛行機を利用する場合、移動だけでも数時間かかることがあります。
急な訃報の場合、訃報を受けてから移動手段を手配し、到着するまでに時間がかかります。
このような場合、まずは葬儀社に相談し、遠方からの参列者が間に合うような日程を組むことが可能かを確認することが重要です。
葬儀社は、火葬場の予約状況なども踏まえつつ、可能な限り希望に沿った日程調整をサポートしてくれます。
例えば、通常よりも開始時間を少し遅らせる、といった調整ができる場合もあります。
また、どうしてもお通夜に間に合わない場合は、告別式のみに参列するという選択肢もあります。
参列者側も、訃報を受けたらできるだけ早く遺族に連絡を取り、参列の意思と到着可能な時間を伝えることで、遺族が日程を検討する際の参考になります。
急な訃報で慌てて手配するよりも、まずは落ち着いて状況を把握し、葬儀社や他の親族と密に連絡を取り合うことが、時間に関する不安を軽減する最善策と言えます。

葬儀が予定より長引くケースとその理由

葬儀は事前にタイムスケジュールが組まれますが、予期せぬ理由で予定より時間が長引くこともあります。
その主な理由としては、まず参列者の人数が予想より多かった場合が挙げられます。
受付に時間がかかったり、焼香の列が長くなったりすることで、全体の時間が押してしまうことがあります。
また、弔辞や弔電の数が多い場合も、その読み上げに時間がかかります。
さらに、僧侶の読経や法話が予定より長い場合も、儀式の時間が延びる要因となります。
火葬場に関しても、火葬場の予約状況が混雑している場合、予定時刻に火葬が開始できず、待ち時間が発生することがあります。
特に都市部の火葬場は予約が取りにくく、希望する時間帯に予約できないことも少なくありません。
その他、交通渋滞による移動時間の遅延や、ご遺族や親族の中で急な体調不良者が出た場合なども、進行が滞る原因となり得ます。
私の経験上、特に火葬場の待ち時間は、事前に予測が難しく、予定外に時間がかかるケースとしてよく見られます。
このような事態に備え、葬儀社は多少の時間的な余裕をもってスケジュールを組むことが多いですが、それでも大幅に遅れる可能性はゼロではありません。
時間に余裕をもって行動すること、そして予期せぬ遅延が発生する可能性があることを理解しておくことが大切です。

時間に関する不安を軽減するための葬儀社との連携

葬儀にかかる時間に関する不安を軽減するためには、信頼できる葬儀社との連携が非常に重要です。
葬儀社の担当者は、葬儀の流れや時間配分に関するプロフェッショナルです。
ご遺族の希望や状況を丁寧にヒアリングし、最適なタイムスケジュールを提案してくれます。
例えば、「遠方から親戚が来るので、〇時以降に開始したい」「高齢の参列者が多いので、休憩時間を設けたい」といった具体的な要望を伝えることで、可能な範囲でスケジュールに反映させてくれます。
また、火葬場の予約状況や移動にかかる時間など、ご遺族だけでは把握しにくい情報も、葬儀社が正確に把握し、事前に伝えてくれます
打ち合わせの際には、全体の流れだけでなく、各工程にかかる時間目安についてもしっかりと説明を求めましょう。
「この儀式はどれくらいかかりますか?」「火葬場への移動時間はどれくらいですか?」「火葬中の待ち時間はどのくらいですか?」など、具体的に質問することで、全体のイメージをより明確にすることができます。
さらに、葬儀当日に予期せぬ遅延が発生した場合にも、葬儀社の担当者が冷静に対応し、次の予定への影響を最小限に抑えるよう努めてくれます。
時間に関する不安や疑問は、遠慮せずに担当者にその都度確認することが、安心して葬儀を進めるための鍵となります。
葬儀社はご遺族にとって最も身近な相談相手ですから、積極的にコミュニケーションを取りましょう。

まとめ

葬儀は、ご逝去から火葬、そしてその後の手続きまで、様々な工程を経て行われます。
それぞれの工程にかかる時間は異なりますが、一般的な二日葬の場合、お通夜は2時間半から3時間程度、翌日の告別式・葬儀式から火葬、収骨まで含めると3時間半から5時間程度が目安となります。
全体の流れで見ると、ご逝去から火葬まで、最低でも丸一日(法律上の安置時間)+二日間が必要となり、実質的にはご逝去日を含めて3日程度を要することが多いです。
一日葬はお通夜がないため、告別式と火葬を一日で行い、全体の所要時間は3時間から5時間程度と短縮されます。
直葬は儀式を行わず火葬のみのため、火葬場での時間を含めても2時間から3時間程度と最も短時間で済みます。
家族葬は参列者が少ない分、一般的な葬儀よりスムーズに進む傾向がありますが、儀式の時間は大きく変わりません。
葬儀にかかる時間は、選ぶ形式や参列者の人数、火葬場の状況など様々な要因で変動します。
特に、遠方からの参列者がいる場合や、火葬場が混雑している時期などは、時間に余裕をもって計画することが大切です。
予期せぬ遅延が発生する可能性も考慮しておきましょう。
時間に関する不安を軽減するためには、葬儀社の担当者と密に連携し、具体的なスケジュールや時間目安についてしっかりと確認することが最も重要です。
この記事が、葬儀にかかる時間についての不安を少しでも和らげ、故人様を心を込めてお見送りするための一助となれば幸いです。

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